【関連記事まとめ】シャネルが中国アリババ「Tモール」へ出店ほか
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<2019. 7.1-7.8 BeautyTech関連記事まとめ>
今週は、シャネルが中国で海外ブランドの誘致に注力するTモールへの出店を発表。国内では、資生堂が新しくオープンイノベーションプログラムを立ち上げ、ユニリーバがパーソナライズシャンプーの発売を開始した。
■資生堂、オープンイノベーションプログラム「fibona」を発表
出典: Tech Crunch
資生堂は、スタートアップ企業と新たな研究で連携する機会の創出を目的としたオープンイノベーションプログラム「fibona(フィボナ)」の立ち上げを発表した。「Beauty Wellness」のプログラムテーマに沿って、美容や健康分野に貢献できるアイディアを持つスタートアップを広く募集する。参加企業は資生堂社員によるメンタリングやプレゼンテーションの機会などが提供され、コラボレーションラボでの活動やネットワーキングへの参加ができる。優れたビジネスアイディアはPoC、事業・業務提携、出資などによるビジネス化が検討される。応募締切は7月26日。(7月1日)
Tech Crunch:
資生堂オープンイノベーションプログラム「fibona」始動、ビューティ分野の革新を目指す
■シャネルがアリババ「Tモール」へ出店、中国での他社EC出店は初
出典: WWD Japan
シャネルは9月、アリババが運営する中国大手EC、Tモールに出店する。販売するのは、フレグランス、スキンケア、メイクアップなど。同社は中国で自社ECサイトでの商品販売を行っているが、他社のECサイトに出店するのは初となる。それに先がけTmall Globalは、出店を希望する海外ブランド向けに中国でのECビジネスを解説する英語サイトをローンチした。同ポータルでは、中国市場の動向や消費者意識などの情報提供をはじめ、オンライン旗艦店の開設申し込みもできる。(7月1日)
WWD Japan:
「シャネル」が他社ECに出店 アリババの「Tモール」に
The Drum:
Alibaba launches English language website for brands to reach Chinese Tmall users
■コスメクチコミアプリ「LIPS」、提携店で使えるクーポンの配信を開始
出典: PR Times
AppBrewは、同社が運営するコスメクチコミアプリ「LIPS」において、クーポン提供機能「LIPSクーポン」をリリースした。アインズ&トルペ、ココカラファイン、東急ハンズなどコスメ関連商品を取り扱うパートナー企業6社の店舗やウェブサイトで利用可能なクーポンを配信する。LIPSは2017年1月のリリースから、累計350万ダウンロードを突破している。(7月1日)
PR Times:
国内最大級のコスメクチコミアプリ「LIPS」がクーポン機能をリリース!ユーザーの購入体験サポートを強化
■ユニリーバがパーソナライズシャンプー発売、組み合わせは2万通り以上
出典: PR Times
ユニリーバ・ジャパン・カスタマーマーケティングは、2万通り以上の組み合わせから、各自の髪の状態や仕上がりの好みにあわせてカスタマイズするパーソナライズシャンプー「Laborica」の発売を発表した。毛髪診断士が監修した髪診断へのユーザーの回答をもとに、大手美容研究所の科学者が1つずつ処方を設計。最適なシャンプーが手作業で調合され、研究所から直送される。すべての製品にオーガニック認証を受けた成分を配合している。(7月1日)
PR Times:
毛髪診断士(R)*1監修の髪診断をもとに、2万通り以上の組み合わせから調合 研究所から直送するパーソナライズシャンプー 「Laborica(ラボリカ)」 7/1より発売開始
■スマホで紫外線や肌コンディションの分析が可能な「SmartEye」カメラ、中国で8月リリース
グローバルビューティブランドのHallstar Beautyは、SmartEyeテクノロジーを使用したリアルタイムでの肌分析を可能にするデバイスを8月にリリースする。このSmartEyeカメラをスマホに装着して顔写真を撮影すると、UVを感知し日焼け止めがどの程度紫外線から肌を守っているかがアプリ上に表示され、塗り直しが必要な部分やカバーされていないところがわかる。さらにエイジングサインや紫外線による肌ダメージなどの肌コンディションも分析でき、おすすめのスキンケア法や商品の提案に加え、肌コンディションのデータ管理も可能。SmartEyeカメラは、まず中国でローンチし、価格は100ドル以下になる見込み。(7月3日)
Cosmetics Business:
Hallstar's Beautivision mobile technology launching in August
■米ウォルマート、中国市場に12億ドルの追加投資を検討
米ウォルマートが、中国におけるサプライチェーン体制を向上させるため、向こう2年間で12億ドル(約1,300億円)の追加投資を検討していることが報道された。中国でオムニチャネル化を進めるウォルマートは、2018年にニューリテール型のスーパーマーケットをオープンしたほか、3月には生鮮品の流通センターを設立しており、より新鮮な食材や商品を中国の消費者に届けるため流通システムの強化をはかる。(7月3日)
Global Cosmetics News:
Walmart To Up China Investment By US$1.2 Billion
■日本初Payレスシステムを導入、レジでの支払い不要の美容室が誕生
出典: PR Times
24時間365日営業の美容サロンを運営するPiNCHは、レジでの支払い行為を必要としない「Payレス」システムを導入したPiNCH南青山店をオープンした。同社が協力会社とともに開発したPayレスは、サロンでのカウンセリングにより施術メニューが確定した段階で、料金の支払い決済が完了するため、退店時の会計が不要となる。今後は美容業界のほか医療、飲食業界への同システムの展開も検討する。(7月4日)
PR Times:
日本初!支払い行為がない美容室が誕生「PiNCH南青山店」7月7日(日)オープ
■ヤフー、類似画像で商品検索できる機能を「Yahoo!ショッピング」に導入
出典: MarkeZine
ヤフーは、AIを活用した類似画像検索機能を「Yahoo!ショッピング」と「Yahoo!ブラウザー」アプリに導入した。ユーザーがカメラ機能で対象物を撮影するか、またはアプリの商品画像に表示される虫眼鏡アイコンをタップすると、画像と類似した商品がリスト表示される。同機能はファッションカテゴリーで利用可能だが、今後は他カテゴリーや「Yahoo!ショッピング」以外への拡張も検討されている。(7月4日)
MarkeZine :
ヤフー、AIを活用した類似画像の検索機能を開発 「Yahoo!ショッピング」のファッション分野で提供
■ 弓気田みずほの“新ブランド”診断
◯ブランド名 / 企業名
オプチューン / 資生堂
◯発表会日時 / 会場
2019年7月1日 / EBIS303
画像出典:PR TIMES
◯診断レポート
資生堂がかねてからβ版を運用していたIoTパーソナライズド・スキンケアサービス「オプチューン」が7月1日から本格展開を開始した。マシンとアプリの連動で、日々変化する肌と環境に合わせて最適化されたスキンケアを提供するもので、月額1万円の定額制料金で、本体とカートリッジの利用が可能だ。まず、専用スマホアプリで肌状態を撮影。ユーザーの気分など各自の入力データと睡眠の状況、紫外線、PM2.5などの環境予見データを掛け合わせることで、5種類のスキンケアカートリッジの最適な組み合わせと使用量を、約8万パターンのなかから割り出す。多忙な毎日で、店舗に行く時間がない、また、製品をじっくり選ぶ余裕がない30~40代女性をターゲットに、「日々のスキンケアに費やす時間を自分のために使う」という提案を行うものだ。店舗やECなど化粧品の販売形態が多様化しても、「自分に合ったスキンケアを選びたい」ニーズと、「店舗で相談して買うのは、時間的にも精神的にもハードルが高い」との意見はなくならない。オプチューンはIoTサービスを用いて、画期的なソリューションを見出したといえる。しかし、資生堂がこれまで提供してきた美容の価値のひとつ「丁寧なカウンセリングを通じて最適な製品とスキンケアアドバイスを提供する」という部分とは、真逆になる面もある。オプチューンは、従来の価値観では顧客になりえなかった層に対してアプローチすることで、国境や性別を超え、変化し続けるユーザーに選ばれる存在であろうとする、資生堂の意気込みの表れといえる。(美容コーディネーター/ビューティビジネスコンサルタント 弓気田みずほ)
Text: 佐藤まきこ(Makiko Sato), 編集部
Top image: Justin Luebke via Unsplash