【関連記事まとめ】米アマゾンが自社開発スキンケアブランドの販売開始ほか
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<2019. 3.19-3.25 BeautyTech関連記事まとめ>
今週は、米アマゾンがついに自社のプライベート・スキンケアブランドの販売を開始した。このほか、サムスン電子のスマホに搭載されるセルフィー肌分析ツールの発表や、資生堂がバイコンティニュアス・マイクロエマルションの泡化に世界で初めて成功し新規クレンジング製剤を開発したニュースもあった。
■サムスン電子、セルフィーで肌分析できるパーソナライズドツールを発表
出典: Blush Digital
サムスン電子は、フィンランドのビューティテクノロジー企業Revieveと提携し、セルフィーベースの肌分析ツールを発表した。サムスン電子のカメラアプリBixby Visionでセルフィーを撮ると、肌分析を行うとともに、診断結果に基づいて肌にあったスキンケアのレコメンドもする。同ツールはまず米国と韓国で、主力機種のスマートフォンGalaxy S10に搭載される予定。(3月17日)
Blush Digital:
Samsung, Revieve Launch Mobile Selfie Skin Analysis
■セフォラ、女性起業家支援プログラムに15名の新規メンバーを発表
セフォラは、化粧品業界の女性起業家15名を、同社の2019年のアクセラレートプログラムのメンバーに発表した。同プログラムは、化粧品業界における女性起業家の数を増やし、ビジネスの活性化を促進する目的で、2016年からスタート。メンバー同士やセフォラを含む業界の専門家を通じて、それぞれのビジネス達成のために必要なサポートを行っている。これまでに同プログラムのメンバーになった女性は31名で、今回選ばれた15名は過去最大の人数で出身国は8カ国にわたる。同社では、2020年までに50名以上の女性起業家を支援することを目標としている。(3月18日)
Blush Digital:
Sephora Continues to Build a Community of Female Beauty Founders with Announcement of Fourth Sephora Accelerate Cohort
■メルカリ、スマホの写真で類似品を探せる「写真検索機能」を追加
出典: Marke Zine
メルカリは、スマホから画像をメルカリに読み込むだけで、メルカリ上の同じ商品や類似品を検索できる写真検索機能を導入した。ブランド名や商品名がわからず検索できなかったアイテムを、簡単に探すことができる。写真に複数のアイテムが写っている場合は、検索範囲を選択して、探したいアイテムだけを選ぶことが可能。(3月19日)
Marke Zine:
メルカリに「写真検索機能」が追加 ブランド名や商品名が分からないモノも検索可能に!
■資生堂、バイコンティニュアス・マイクロエマルションの泡化に世界初成功
出典: 週間粧業
資生堂は「バイコンティニュアス・マイクロエマルション(BME)」の溶液を泡状にする技術を世界で初めて開発、新規クレンジング製剤に応用した。BMEは優れたメイク落とし効果があるものの泡立てることが困難だったが、イオン性界面活性剤を均一に混ぜ込む“ハイブリッド化”に成功し、泡が自発的にメイクを溶かしだす、洗浄効果の高い泡状のクレンジング製剤を実現した。同技術は2018年12月の「第83回日本化粧品技術者会研究討論会」で発表され、同社研究員が最優秀発表賞を受賞している。(3月19日)
週間粧業:
資生堂、世界初の新規クレンジング製剤を開発
■米アマゾン、自社プライベート・スキンケアブランドの販売を開始
出典: Fashionista
米アマゾンは、自社開発のプライベート・スキンケアブランド「Belei」を発表した。硫酸系化合物やパラベン、フタル酸エステル不使用で、動物実験はせず、パッケージにはリサイクル素材やリサイクル可能な箱が使用され、最近の多くのスキンケアスタートアップ製品の特徴であるナチュラル&エコをコンセプトに取り入れている。同ブランドには保湿クリーム、セラム、パック、サンスクリーンなど12種類がラインナップし、価格は9~40ドル。(3月20日)
Fashionista:
Amazon Enters the Skin-Care Business With New Brand Belei
■ロレアル、常在菌研究企業と提携、パーソナライズドスキンケア提案を加速
出典: @larocheposayuki
ロレアルは、皮膚微生物の研究を推進させるため、微生物ゲノムのエキスパートであるバイオテクノロジー企業uBiomeと提携した。ロレアルは2006年より皮膚微生物の研究に着手しており、ラ ロッシュ ポゼやVichyなどのブランドから、その研究成果を活かしたスキンケア製品を発表している。皮膚にはバクテリアやウィルスなどの細菌が常在しており、それらのバランスが崩れることでニキビや肌荒れなどのトラブルを引き起こす。今回の提携でロレアルは皮膚微生物の研究を加速し、よりパーソナライズされたスキンケア製品の提案を目指す。(3月20日)
Cosmetics Business:
L’Oréal advances personalised skin care research with new partnership
■Instagram、投稿写真のタグをタップするだけで買い物できる新機能を追加
出典: Tech Crunch
Instagramは、投稿写真についたタグをタップするだけで、アプリ内で買い物できる新機能「Checkout on Instagram」を米国向けに追加した。同機能により、Instagramの投稿から各ブランドのウェブサイトに誘導する必要がなくなり、ユーザーはInstagramのアプリ内で商品の購入が可能。Kylie Cosmeticsやアディダス、Warby Parkerなど、まずは20以上のトップブランドのオーガニック投稿に適用される。(3月20日)
Tech Crunch:
Instagramの新機能、投稿写真の商品を選べばその場で購入できる
■日本初の香水サブスクリプションサービス「SCENTPICK」が4月スタート
出典: PR Times
SCENTPICKは、日本で初となる香水のサブスクリプションサービス「SCENTPICK(セントピック)」を4月から開始する。ラグジュアリーからカジュアルまで100以上のブランドから試したい香水を選ぶと、持ち運びも簡単な1ヶ月使いきりサイズのミニボトルで香水が毎月届く。香水選びに迷った際は、好みの香りやライフスタイルに基づいてAIがセレクトする。料金は月額1,680円から。無料会員登録と事前香水リクエストを受け付け中。(3月20日)
PR Times:
好きな香りが毎月届く!日本初の香水サブスクリプション「SCENTPICK」がスタート
■ 弓気田みずほの“新ブランド”診断
◯今回のブランド / 企業
APEX(アペックス)/ 株式会社 ポーラ
◯プレスリリース発表日時
2019年3月11日
新APEX
出典:POLA APEX公式サイト
◯診断レポート
ブランド誕生30周年を迎えたパーソナライズドスキンケアAPEXがフルリニューアル。2019年7月8日より新APEXとして販売される。肌の「今」と「将来」を見据えた道筋を独自の肌分析技術にもとづき、一人ひとりに適したスキンケアを「つくる」「続ける」「アップデートする」というフローを伴走していくブランドへと進化を遂げる。アプリ「肌ログ」で肌データを確認できたり、1つとして同じものがないラベルデザインなど、よりパーソナライズ感を高める要素も加わる。現在の肌コンディションに加え、将来的なポテンシャルが提示できるシステムと、一方的になりがちな「アドバイス」から、ともにスキンケアプランをつくるパートナーとしてのカウンセリングなど、肌分析システム、コミュニケーションともに進歩した点は高く評価できる。また、オーダーから製品を受け取るまで最短4日と大幅な時間短縮を実現したところも、今の時代背景にマッチしている。ポーラは近年、リンクルショットをはじめ、技術開発力の高さを前面に出した製品で支持を拡大している。30年間蓄積された膨大な肌データも大きな財産であり、APEXのシステムは他社が簡単に追随できないものだ。課題があるとすれば、ポーラの生命ともいえる「カウンセリング・ファースト」のコミュニケーションをヘビーに感じるユーザーにどう対応するかであろう。ポーラ製品を入口にブランドと出会った顧客を、長く付き合うAPEXファンに育成していくことが大きな目標であると思うが、ますます多様化する消費者の価値観に対応して、カウンセリングのあり方にも柔軟性のある改良が求められていくであろう。(美容コーディネーター/ビューティビジネスコンサルタント 弓気田みずほ)
Text: 佐藤まきこ(Makiko Sato), 編集部
Top image: May Betcher via Unsplash