【関連記事まとめ】花王が似合う髪型を診断するAIシミュレーターを公開ほか
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<2019. 4.23-4.29 BeautyTech関連記事まとめ>
今週は、花王が顔立ちや骨格から最適な髪型や髪色を提案するAIシミュレーターを公開。資生堂はLINEの美容相談にチャットボットを導入したのに加え、海外ではワトソンズと共同でスキンケア製品を開発してアジアでの展開の拡大を目指す。
■花王「リーゼ」、似合う髪型・髪色を診断するAIシミュレーターを公開
出典: PR Times
花王は、ヘアスタイリングブランド「リーゼ」の公式サイトで、AIによるヘアスタイルシミュレーター「Style Change」を公開した。スマホやタブレットで顔写真を撮影すると、顔立ちや骨格、髪の長さからAIが分析を行い、600種類のバリエーションから最適なヘアスタイルとヘアカラーを3パターン提案する。シミュレーターには、日本ファッションスタイリスト協会監修のもと、人や物が持つ個性を論理的に分析・分類するシステム「Styling Map」を導入しており、これに基づいてAIが個々に似合う髪型と髪色を診断する。(4月22日)
PR Times:
AIが顔立ちや骨格から似合う髪型・髪色を診断!花王「リーゼ」のブランドサイトにて本格AIシミュレーター「Style Change」を公開
■資生堂、LINE美容相談サービスにチャットボット導入
出典: PR Times
資生堂は、2018年2月から同社が提供している、LINEで美容相談できるサービス「LINEで美容相談」に、人間のWebビューティーコンサルタントとチャットボットを連携させた「AIみみちゃん」を2019年1月より導入した。ユーザーが相談内容を入力すると、内容に応じてチャットボットまたはWebビューティーコンサルタントが回答する。チャットボット導入後は24時間365日相談が可能となり、相談の約8割はチャットボットで対応できるため、Webビューティーコンサルタントの人員削減になったほか、一人ひとりのユーザーにより丁寧な対応ができ満足度向上につながっている。(4月22日)
PR Times:
資生堂、「LINEで美容相談」サービスに「AIみみちゃん」を導入、Webビューティーコンサルタントとチャットボットの連携を実現
■ユニリーバ、サプリメントの米企業Olly Nutritionを買収
出典: WWD Japan
ユニリーバは、グミ状のサプリメント「Olly」を手掛ける、米国のOlly Nutritionを買収する。Ollyは2014年創業のブランドで、サプリメントグミのほか、プロテインパウダーやスナックバーなどを製造し、Targetやセフォラ、ウォルマート等で幅広く販売している。ユニリーバはサプリメント企業Equilibraの過半数の株式を2018年に取得済み。ジョンソン・エンド・ジョンソンもサプリメント企業のZarbee’sを買収するなど、ウェルネスやサプリメント市場への大手化粧品メーカーの注目が高まっている。(4月22日)
WWD Japan:
ユニリーバが米サプリメントブランド「オリー」を買収
■女性向けメディアMERYが電通と資本業務提携、F1層ビジネス拡大へ
出典: WWD Japan
女性向けウェブメディアMERYは、電通を引受先とする第三者割当増資を実施し、資本業務提携を結んだ。MERYは2013年にサービスを開始したが、他サイトの記事の無断転載問題で閉鎖となり、2017年より小学館とディー・エヌ・エーの共同出資会社が設立され、同年11月よりメディアを再開した。月間利用者数はアプリとウェブ合わせて440万人、PV数は1億4,400万。今回の資本業務提携で、F 1層(21歳から34歳の女性)のメディアビジネス強化のほか、Eコマースなどの新事業開拓も視野に入れている。(4月23日)
MarkeZine:
電通、MERYと資本業務提携 電通デジタルと共同でU25向けのマーケティング活動を強化
■世界初、イスラエルの研究チームが3Dプリンティング心臓の作成に成功
出典: Techable
イスラエル・テルアビブ大学の研究チームは、人体の組織を使い3Dプリンティングで心臓を作成することに世界で初めて成功した。研究チームは患者から採取した脂肪組織を分離し、心筋細胞や血管を生成する細胞にプログラミング、印刷用のインクとして各細胞マトリックスをパーソナライズされたヒドロゲルに加工した。3Dプリントで出力された心臓は細胞、血管、心室を再現しており、酸素と栄養素を供給したところ、数日後には自発的に拍動を開始した。現段階の3D心臓はウサギの心臓程度の大きさだが、実証実験を重ね、10年以内に人体の組織としての実用化を目指している。(4月23日)
Techable:
再生医療の未来に光!イスラエルの大学の研究チームが細胞を備えた世界初の3D心臓制作に成功
■資生堂、ドラッグストア大手ワトソンズとスキンケア商品を共同開発
資生堂は、香港を拠点とする世界最大のドラッグストアチェーン、ワトソンズグループと共同で、敏感肌向けスキンケアブランド「dプログラム」のアーバンダメージケア・シリーズを開発した。ワトソンズが保有する1億3,500万人以上の消費者情報をもとに、資生堂のスキンケア研究の知見を融合。花粉やちりなどの微粒子汚れから肌を守ることをテーマに、洗顔料と化粧水の2種類を開発した。同シリーズは2018年10月からタイと台湾で既に販売されており、2019年7月から中国のワトソンズ店頭とECサイトで発売し、アジア各国に順次、販路を広げる予定。(4月24日)
WWD Japan:
資生堂が香港の世界最大ドラッグストアチェーンと「dプログラム」で新シリーズ開発
■インドネシアの新規制に向けて、ハラル認証サポートサービスが拡大
出典: The Bridge
シンガポールを拠点とするブロックチェーンのスタートアップWhatsHalalは、ハラル認証取得の手間を簡素化しプロセスをスムーズにするプラットフォームの、インドネシアでの展開を図っている。インドネシアでは2019年末までに食品や化粧品などのハラル認証の新規制を導入する予定で、3年間の猶予期間内にハラル認証を取得することが求められ、対象企業は150万社にのぼる。同社ではハラル認証プロセスのサポートのほか、オンデマンドのフードデリバリーサービスなども提供しており、今後もサービス拡大を目指している。(4月25日)
The Bridge:
シンガポール発、ブロックチェーンでハラール認証の手順を簡素化する「WhatsHalal」
■M・A・C、Z世代をターゲットにテクノロジーを駆使した新OMO店舗をオープン
M・A・Cは、Z世代の消費者をターゲットに、“フィジタル”な体験を提供する新Experience Centerを上海にオープンした。同施設は、テクノロジーを活用しデジタルとリアルな店頭販売を融合させた店舗機能を持ち、パーソナライズしたショッピング経験を顧客に提供する。WeChatによる認証や支払いに加え、赤外線で顔色をスキャンして最適な色のファンデーションを勧めるデジタルスクリーンのほか、リップコーナーには18種類のカラーをバーチャルで試せるスマートミラーなどが設置されている。(4月25日)
Global Cosmetics News:
MAC Targets Gen Z Consumer With New Shanghai-Based Experience Center
■ 弓気田みずほの“新ブランド”診断
・今回のブランド / 企業
and and(アンドアンド)/ 花王
・発表会日時 / 会場
2019年4月3日 / TRUNK BY SHOTO GALLERY
・ 診断レポート
ヘアケアの分野でもドラッグストアで圧倒的なポジションを築いてきた花王が、初めてバラエティショップでも展開するブランド。ヘアケア市場の規模はほぼ横ばいの状況が続くなか、新規ブランドの台頭でシェアは分散傾向にある。これまで花王がカバーしてこなかったハイプレミアム価格帯(1,400円以上)に進出することで、「自分らしいものを選びたい」ミレニアル世代に対して存在感を高めるねらい。高付加価値を求めるターゲットに対し、初めて「感性科学」を用いて香りを開発した。シャンプー、トリートメントの各3種、あわせて9通りの組み合わせでセルフコーディネートが可能。シャンプーは「気ままに」「静かに」、トリートメントは「思い立つ」「ときめく」など、香りのイメージワードが記されている。バスルームまわりのインテリアに溶け込むようなデザインは、従来の「花王のヘアケア」と一線を画し、新しい市場に打って出る意気込みを感じさせる。また、わかりやすい「機能」面から、「感覚」面の研究を応用したアプローチは花王の幅広い基礎研究の賜物でもある。ただし、バラエティショップにはサロン用ヘアケアも数多い。「選べる楽しさ」「デザイン性の高さ」に加え、ヘアケアに機能性を求める層にも響くコミュニケーションが課題となりそうだ。(美容コーディネーター/ビューティビジネスコンサルタント 弓気田みずほ)
Text: 佐藤まきこ(Makiko Sato), 編集部
Top image: Kyle Hinkson via Unsplash