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＜2018.3.13-3.19 BeautyTech関連記事まとめ＞

今週は、ロレアルがAR技術の先頭を切るModiFaceの買収を発表したという衝撃的なニュースが飛び込んできた。そのほか、ナイキやYouCamメイクのアプリ＆新サービスのローンチ、女性の身体や健康のニーズに応えるフェムテックの躍進についてなどが伝えられた。

■ウーバーを介した美容師派遣サービス ドバイとロンドンで開始

image： Shutterstock.com

配車サービス最大手のウーバーとドバイのビューティーテック企業のbgXが、ロンドンとドバイでウーバーを利用した美容師派遣サービスを立ち上げた。美容師の移送という課題をウーバーで解決した形といえる。料金は施術内容や髪型によって設定。サービスを受けたあと、顧客は美容師への評価をアプリに書き込み、美容師も顧客を評価し、お互いに高評価であればリピート利用も可能。美容師は顧客情報などをカルテとしてアプリに保存しメンバーと共有する仕組み。ウーバーが他企業と提携する初の本格的なオンデマンドサービスとなる。（2018年3月11日）

WWD JAPAN：美容師をウーバーで自宅に派遣　ドバイとロンドンでサービス開始

■月経トラッキングや不妊治療アプリ、女性の健康ニーズに特化するフェムテック

出典：THE BRIDGE　Image: Frost & Sullivan report

月経トラッキングアプリ、スマート搾乳機など、十代から閉経後まで、すべての年代の女性の身体と健康に関するさまざまなニーズに応える「フェムテック（female technologyの意味の造語）」が成長している。世界的には、避妊薬のオンラインデリバリーや不妊治療アプリなど、アクセスしやすく手頃な価格のサービスがすでに提供されており、この領域のスタートアップも多い。フェムテック市場には、2014年以降、10億ドル（約1,000億円）以上の資金が投入されており、2025年までには500億ドル（約5兆円）規模に成長するとの予測もある。（2018年3月12日）

THE BRIDGE：月経トラッキングや避妊薬デリバリーなど、女性を対象にした「フェムテック」が成長中

■ノードストローム、テック系スタートアップ2社を買収。デジタルコミュニケーションを強化

出典： GLOSSY

米国の大手百貨店ノードストロームは、個々の顧客へのパーソナルな対応を強化することを目的とし、BevyUpとMessageYesという2つのテック系スタートアップを買収した。これらの技術の導入により、店員がメッセージサービスを使って、顧客ごとにおすすめのスタイルを提案したり、製品ページリンクを含むカスタマイズされたテキストメッセージを送ることができる。良質なカスタマーサービス、利便性、スピードを提供することで、顧客とのコミュニケーションの深化を図るとともに、ミレニアルやデジタルネイティブの世代を取り込んでいくことをもくろんでいる。（2018年3月13日）

GLOSSY ： Nordstrom is investing in technology to support personalization and Customer service

■YouCam Makeup 1対1で美容相談ができるオンデマンドサービス

出典：Blush Digital

メイクアプリYouCam Makeupは、自分の好きな美容アドバイザーを選んで、1対1で相談できるオンデマンド・プラットフォームを公開した。ユーザーはアドバイザーとライブでビデオチャットしながら、YouCamメイクのAR機能を使って、すすめられた製品をリアルタイムに試すことができ、自分にあったスタイルやカラーなど個別アドバイスが受けられる。（2018年3 月14日）

Blush Digital：YOUCAM MAKEUP UNVEILS LIVE BEAUTY ADVISOR 1 ON 1 PLATFORM AT SXSW

■ZARAのARアプリ、4月に120店舗で期間限定テスト導入

出典：WWD JAPAN

ZARAは4月18日から2週間、ARアプリ「ZARA AR」を120店舗でテスト導入する。　ユーザーはアプリをダウンロードし、QRコードを読みとって、店舗に設置されたグラフィックマークにスマートフォンをかざすと、モデルのレア・ジュリアンとフラン・サマーズがザラの服を着て歩く映像が現実の空間に投影される。この3D映像を撮影してSNSでシェアすることも可能だ。アプリをテスト導入する店舗は現時点で未定。（2018年3月14日）

WWD JAPAN：「ザラ」がARアプリをローンチ　120店舗で試験導入

■女性インフルエンサーが美容・コスメ情報を拡散する成果報酬型アフィリエイトサービス

出典：@Press

女性向けPRをメインとする総合広告代理店MissWHは、美容業界の企業向けに、インフルエンサーによる情報拡散に特化した、完全成果報酬型のアフィリエイトプラットフォーム「STORY AFFILI（ストーリーアフィリ）」の提供を開始した。これは、美容やコスメに興味のあるインフルエンサーに製品やサービスを実際に試してもらい、それぞれのSNSで体験のリアルな感想などパーソナルな情報発信をすることで、ブランドや商品の認知度の向上や購買につなげるPR戦略。初期費用不要、低リスクでスタートできる。すでに100名以上のインフルエンサーが登録している。（2018年3月14日）

@Press：女性インフルエンサーが美容・コスメの商材を使って情報拡散！ 成果報酬型アフィリエイトサービス『STORY AFFILI』3/14～提供

■ナイキがレアスニーカー専用ECの公式アプリを公開

出典： WWD JAPAN

ナイキジャパンはスニーカーについてのストーリー紹介、レアスニーカーの購入、会員限定サービスなどを提供するスニーカー専用ECサイト「SNKRS（スニーカーズ）」の公式アプリ「NIKE SNKRS APP」の日本版を公開した。3月26日発売の「エア マックス デイ」を皮切りに、新作の数々が同アプリから購入可能。また、さまざまな場所に隠されたスニーカーを見つけ出すと購入権が得られる「SNKRS Stash」など、今後、ゲーム性のあるコンテンツもスタートする予定。（2018年3月15日）

WWD JAPAN：ナイキがスニーカー専用EC「SNKRS」のアプリを発表　“ゲーム感覚”のショッピング体験

■ロレアル、AR技術開発企業ModiFaceを買収

出典：GLOSSY

化粧品世界最大手のロレアルは、最先端の美容系AR技術開発で知られるカナダの企業ModiFaceの買収を発表した。これまでも同社はヘアカラー・ヘアスタイルのシミュレーションアプリなどでロレアルに技術提供をしているが、ロレアルがテック系企業を買収するのは今回が初となる。また、セフォラやカバーガールといった他企業もModiFaceのAR技術を用いたアプリをローンチしており、今回の買収により、ロレアルが競合企業に対して、AR/AIやデジタル戦略の分野で大きな優位性を持つことになると推測される。（2018年3月16日）

GLOSSY：With acquisition of ModiFace, L’Oreal enters next phase of digital evolution strategy

◎詳しくは、BeautyTech.jpの記事でもどうぞ

■ 注目！今週のハッシュタグ・ワード　「＃化石コスメ」

昔のアイシャドウやマニキュア、使い残しの化粧品を自宅の引き出しやクローゼットから発掘する、「#化石コスメ」というタグがTwitter上で盛り上がっている。日本から撤退したブランドや廃盤になってしまったコスメなど、購入当時のことを振り返りながら「こんなブランドあったね、懐かしい〜」「ここが良かったよね」といったコスメ好き同士の会話が繰り広げられ、そうだそうだとうなずきながらのぞき見していると、あっという間に時間が経ってしまう。なかには「#化石コスメ のタグを発見したワイ、喜び勇んで発掘作業に入る。なお20年モノのピエヌ」なんてコメントも。誰でも簡単に参加しやすいテーマのため、「こんなの出てきた！」と次から次へと投稿があり、懐かしいをキーワードにつながって、新たなコミュニティが生まれる現象もおきている。断捨離が流行しているが、コスメ好きユーザーにとっては「収集する」ことがいかに大切かを教えてくれるよう。それにしても、みなさん結構残している。そういえば、我が家にも開かずの箱が…。（ビューティウォッチャー 服部めぐみ）

Twitter上の＃化石コスメはこちらから

Text: 林美由紀（Miyuki Hayashi）、編集部　
Top Image: Alex Holyoake via Unsplash