【関連記事まとめ】ユニリーバ、中国ECと共同ラボ設立ほか
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＜2018.4.10-4.16 BeautyTech関連記事まとめ＞
今週は、ファッション/ビューティテック系スタートアップの最新版マップが公開されたほか、マッキンゼーによる美容業界の現況分析レポートの発表など、ビューティテック分野の盛り上がりを感じさせる話題をはじめ、ユニリーバがアジアへの足がかりを強化するニュースもあった。
■ ブラジルコスメブランドO Boticario、UAEをはじめとした湾岸地域に販路拡大
ブラジルのコスメブランドO Boticarioは、アラブ首長国連邦（UAE）に拠点を置くMillennial Capitalと5年間のライセンス契約を結んだ。これにより、UAE、サウジアラビア、クウェート、バーレーン、カタール、オマーンで構成されるGCC（湾岸協力理事会）地域への店舗展開が可能になる。2018年9月にUAEに初店舗をオープン予定で、デパートやドラッグストアでの販売、ECサイト開設も計画されている。2019年最終四半期までにはサウジアラビアにも進出する予定。（2018年4月9日）
GLOBAL COSMETICS NEWS: O BOTICARIO PARTNERS WITH MILLENNIAL TO OPEN IN UAE
■ 有色人種女性のためのコスメECサイトDOOPLEXオープン
米国の起業家が黒人女性など有色人種のためのコスメECサイトDOOPLEXをオープンした。Dr. Earles Skin & Hair,、KitiKiti,、BBD Kingや Indigo.など、有色人種の肌や髪質を念頭に開発されたブランドのスキンケア、ヘアケア製品を取り扱い、真に女性たちの役に立つサイトを構築するとしている。（2018年4月10日）
GLOBAL COSMETICS NEWS：US ENTREPRENEUR LAUNCHES ONLINE MARKETPLACE DOOPLEX FOR BLACK-OWNED HAIR AND BEAUTY PRODUCTS
■ 女性のキャリア・ライフスタイル支援SHE、ポーラ・オルビスホールディングスなどから資金調達
出典： THE BRIDGE
女性向けのキャリア・ライフスタイルスクール事業を運営するSHEは、ポーラ・オルビスホールディングスや個人投資家10数名を引受先とした第三者割当増資の実施を公表。調達金額などは非公開。SHEは、趣味や仕事に関するレッスン・講座、専門スキルを2ヶ月で取得する短期集中講座、就職、開業支援のサービスを行っており、今回の調達で経営体制強化を目指す。（2018年4月14日）
THE BRIDGE ：女性のキャリア・ライフスタイル支援「SHE」が資金調達を実施、ポーラ・オルビスホールディングスやTLMが引受先に
■ サザビーリーグ、EC限定ジュエリーのオンラインストアスタート
出典：WWD JAPAN
サザビーリーグは、EC限定ジュエリー「ARTIDA OUD（アルティーダ ウード）」のオンラインストアをオープンした。同社にとって初のD2C（ダイレクト・トゥ・コンシューマー）ビジネスモデルとなる。ルビーやサファイアなどの天然石をあしらったリングやネックレスなどを取り揃え、中心価格帯は14,000円程度。ピアスとチャームをバーチャルでカスタマイズしセット購入もできる。デザインは自社、生産はインドで行っている。今後デジタルマーケティング中心に認知度アップを目指す。（2018年4月11日）
WWD JAPAN：バーチャルでカスタマイズもできるEC限定ジュエリー「アルティーダ ウード」
■「ファッションテック ・ ビューティテック スタートアップ マップ 2018」を公開
出典: PRTIMES
パイロットボートとスタイラーは共同で、「ファッションテック・ビューティテック スタートアップマップ2018」を作成・公開した。メディアではMERYやLocari、クラウドファンディングではCLOSS、パーソナルレコメンドはSTITCH FIXなど、ファッションテックとビューティテック関連の120を超えるスタートアップがマッピングされている。同分野への進出や投資を考える際の参考となりそうだ。（2018年4月11日）
PRTIMES：「ファッションテック ・ ビューティテック スタートアップ マップ 2018」を公開。
■ ロレアル、韓国のアパレルNandaの株式を取得か？
出典: Instagram（＠stylenanda_korea）
ロレアルが韓国のアパレル＆コスメ企業Nandaの株式の70％を取得するのではないかと噂されている。2004年創業、ソウルに本社を置くNandaは、シンガポール、タイ、香港、日本で事業を展開し、スキンケア、ボディケア、ネイル、フレグランスなどを有するコスメライン3CEのほか、ファッションブランドStyle Nandaを運営している。韓国企業については、ユニリーバがCarver Korea 、LVMH がClioを、それぞれ2017年と02016年に買収している。（2018年4月11日）
COSMETICS BUSINES：Is L’Oréal acquiring a 70% stake in South Korea’s Nanda?
■ ユニリーバ、中国のTmallとユーザー動向をリサーチするラボを開設
ユニリーバは中国のECサイトTmallと共同で研究開発ラボを設立した。目的は、Tmallのユーザー動向などのデータを活用することによって、ユーザーニーズを即座に取り入れるとともに、これまで1～2年かかっていた製品の開発期間を6ヶ月に短縮することだ。5月にはデータの解析に基づいて開発されたスキンケア製品の第1弾が発売予定という。（2018年4月13日）
GLOBAL COSMETICS NEWS：UNILEVER UNVEILS JOINT INNOVATION LAB WITH TMALL TO BETTER UNDERSTAND CONSUMER INSIGHTS
■ デジタル・ディスラプションにともなう美容業界の現状をマッキンゼーが分析レポート
image：shutterstock
マッキンゼーがデジタル・ディスラプションが進む美容業界の現況レポートを発表した。現在、全世界あわせた美容産業は2,500億ドル（約26兆円）市場規模。なかでもメイクアップ製品部門では、これまでシャネルやランコムといった高級ブランドやロレアルなど大衆向け大手ブランドが売上高の大半を占めてきたが、2016年にはNYXやToo Facedなどデジタル世代の新興ブランドが、市場シェアを10％にまで拡大、既存ブランドの4倍の速さで成長している。SNSを利用したマーケティングをみると、YouTubeには毎月150万本以上のビューティ系動画がアップロードされ、46億ビューを数える。新興ブランドは既存ブランドの10倍のフォロワーを獲得しており、ミレニアル世代はベビーブーマーより3倍高い確率で、SNSから新製品やブランド情報を得ているという調査結果などが公開された。（2018年4月）
Mckinsey&Company：What beauty players can teach the consumer sector about digital disruptio
■ 注目！今週のハッシュタグ・ワード「#脇役コスメ」
黄色や緑色の口紅、青いグロス、水色の下地クリームなど、「どうやって使うの？」と疑問符がついてしまうカラーを上手に使いこなすコスメ好きユーザーたちがいる。重ねることで手持ちの口紅の色合いをシルキーに変えたり、ブラシの角度を変えてアイシャドーに使用したりとTwitterやYouTubeを通して発信される内容には、「あーこうやればいいんだね」「お蔵入りしていたコスメがこれでまた使えるかも」などといった声がたくさん寄せられ、一瞬で完売してしまう製品も続出。なかでも、限定品として発売された「YSL/ラディアント タッチ ブラープライマー ブルー（限定）」は、「買えなかった。定番化希望」とのツイートで溢れ、オークションでも値段がどんどん上がっている。「ファンデーションがこの水色下地によって、くすみと無縁に。透明感がでるので手放せない」「しまいこんでたベースメイクの下に使ってみたら、復活したコスメがいっぱい」とのクチコミも多い。ユーザーが今持っているコスメを予想して、プラスワンの使用を提案する脇役コスメ、変わり色の限定カラーで話題を集めつつ、しっかり購買にまでつながっている。（ビューティウォッチャー 服部めぐみ）
Text: 林美由紀（Miyuki Hayashi）、編集部
Top Image: Alex Holyoake via Unsplash