BeautyTech関連記事まとめ2.6-2.12
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今週は、セフォラやレブロンが設置したコスメ専用自動販売機、ユナイテッドアローズの無線電子タグ導入による驚くべき成果、アメリカの人気インスタグラマーの正体などの話題に注目。インフルエンサーやインスタグラマーを活用した企業マーケティングが主流になる一方、国内では信頼性の観点から、専門知識を持ったコスメコンシェルジュのマッチングサービスも始まっている。
■ユナイテッドアローズ、無線電子タグ導入で棚卸時間が8割削減
出典:WWD JAPAN
ユナイテッドアローズは段階的に導入している無線電子タグ(RFID)によって、棚卸など、店頭での作業時間の大幅な短縮に成功している。RFIDは専用の読み取り機を用いて、複数の商品の色、サイズ、価格などの情報を、1点ずつバーコードにかざすことなく、一括で読み取れる。2014年から導入しているGREEN LABEL RELAXING(GLR)では、タグの導入前は年4回の棚卸に平均86.5時間/人かかっていたが、導入後は平均13.5時間/人に軽減し、84%の削減率を達成。返品時のスキャンにかかる時間も30~50%減、セール時のレジの待ち時間も半減した。さらにGLRの販売員の月平均の残業時間も、他の主要ブランドに比べて2割減に抑制された。RFIDは、世界の有力アパレルでも導入が始まっている。(2018年2月5 日)
WWD JAPAN:ユナイテッドアローズ、無線電子タグ導入で棚卸時間を8割削減
■アメリカの人気インフルエンサーのリアルな正体は?
ロサンゼルス在住の19歳、ブラジル&スペイン系アメリカ人で、通称イル・ミケーラ。モデルでミュージシャンでもある彼女のInstagramアカウント(@lilmiquela)のフォロワーは56万人を超えている。セレブの友人と一緒にライブやイベントに出かけた様子などがシェアされ、トランスジェンダーや人種差別撲滅運動のサポートもしている彼女のデビューシングルは、昨年8月にSpotify Viralで第8位にランクイン。まさに絵に描いたような大人気インフルエンサーだが、実は彼女は生身の人間ではなく、CGで生成されたキャラクターなのだ。すでにニューヨークのファッションブランドがイル・ミケーラをPRに起用したりと、さまざまなコラボも行われており、実際に存在するしないにかかわらず、大きな影響力を発揮して話題沸騰中。(2018年2月5日)
BUSINESS OF FASHION:Meet Fashion's First Computer-Generated Influencer
■商品画像に寸法を簡単追加IoTメジャーhakaruno
出典:Makuake
クラウドファンディングサービスMakuakeで、画像上に簡単に寸法を記載することができるIoTメジャー「hakaruno(ハカルノ)」の資金調達および先行予約が開始。撮影したアイテムの寸法を示したい箇所をアプリ上でなぞって決定し、hakarunoで実際に測ることで採寸データが画像に反映される。アパレルECやフリマで販売する商品画像に寸法を書き入れる面倒な編集作業が不要になるほか、アパレル店舗でのお直しやオーダーメイドの際の伝票の半自動化にも対応。伝票を画像として保存してフォーマットを作成し、hakarunoで測ると、伝票上に採寸データが自動表記される。伝票作成の手間を省き、伝票の書き間違い、読み間違いも減ると期待されている。(2018年2月6日)
FASHION NETWORK:計測データを電子化するIoTメジャー開発、富士通がマクアケで先行予約
Makuake:フリマ、アパレル店舗の売上アップを支援!IoTメジャーhakaruno(ハカルノ)
■美容師カルテ管理「LiME」が7,000万円調達で新アプリを開発
出典: TechCrunch Japan
美容師の顧客カルテ管理サービス「LiME」は、第三者割当増資を実施し7,000万円を調達した。LiMEは、これまで紙で管理していた顧客のカルテ情報をスマホで管理できるもの。調達した資金は、一般ユーザー向け予約アプリ「SUTEKiNA」の開発にあてられる。STEKiNAは、アプリ上のカレンダーにある空き部分に予定を入力するだけで美容師の予約が可能で、美容師が投稿する髪型提案や日々の仕事の様子から、気に入った美容師を探すこともできるのに加え、ユーザーのレビュー機能を追加してSNS的な展開も図る。登録美容師の数は9,000人に拡大している。(2018年2月7日)
TechCrunch Japan:電話予約や紙のカルテが不要に――美容師のカルテ管理アプリ「LiME」が7000万円調達
■セフォラ、レブロン、キールズなどがコスメの自動販売機設置
コスメ業界では、顧客の店舗滞在時間の減少に対応し、店舗に足を運ばずとも購買ニーズを満たせるよう、コスメ専用自動販売機の導入を始めている。セフォラ、レブロン、キールズなどのメーカーはVengo Labsと提携し、21.5インチ・タッチスクリーンディスプレイを備え、6種類の小型製品を120~180個ほどストックできる、キャッシュレス支払いの自動販売機の設置を決定。仕事先や旅行先でも顧客が自社製品にアクセスしやすくするとともに、従来のマーケティング方法では響かなかったミレニアル世代へのリーチももくろむ。(2018年2月8日)
COSMETIC BUSINESS :Sephora, Revlon, Kiehl’s invest in beauty vending machines
■ 企業×コスメのプロのマッチングサービス開始
出典:美容経済新聞
日本化粧品検定協会は、企業とコスメコンシェルジュをマッチングする「コスメコンシェルジュエージェンシー(CCA)」のサービス提供を開始した。インフルエンサーやインスタグラマーによる玉石混合の情報が氾濫するなかで、化粧品の成分、皮膚科学、メイク方法や法律、香り、サプリメントなど、化粧品や美容に関わる幅広い知識を取得した化粧品のプロフェッショナルであるコスメコンシェルジュと組むことで、より信頼性が高く正しい情報を発信できるのは、企業にとって大きな魅力。プロの美容家よりリーズナブルで、幅広いエリアの専門家が揃っている点も有用だ。(2018年2月8日)
美容経済新聞:「企業×コスメの専門家」マッチングサービス開始 化粧品検定協会
■カバーガール 2018年春の新作5種をARでお試し
Cotyは、傘下のメイクアップブランド、カバーガールのオフィシャルサイトにアクセスすると春の新作コスメを試せるAR体験サービスをスタート。試すことができるのは、リップカラーやアイシャドウ、アイブロウペンシルなどの5つの新製品で、画面上の自分の顔にそれぞれを塗り重ねバーチャルメイクをすることで、ひとつひとつの製品だけでなく、総合的な見ためや自分に似合うかどうかの確認が実際に買う前にできる。ウォルマートとパートナーシップを結び、ウォルマートのウェブサイトから製品を購入することも可能だ。Cotyは体験機能をさらに向上させ、 傘下の他ブランドにも展開する予定。(2018年2月8日)
COSMETIC BUSINESS:Coty reveals Covergirl’s 5 spring looks with new AR experience
■@cosmeのユーザー動向、今回のキーワードは「浮きたくない」
@cosmeのメンバーへインタビューしたときのこと。「とにかく浮きたくない」という発言が多く聞かれた。SNSでの炎上やママ友の中で仲間はずれになることを避けたいという心理が働くようだ。フルメイクアップが好きなママであっても、周囲にあまり化粧をしていない人が多いため、そのコミュニティに顔を出すときは化粧を薄くするという。昨年のベストコスメ総合大賞に輝いたオペラのリップティントは「花嫁リップ」として話題となった05というカラーがある。クチコミなどでは「誰でも似合う色」と評されているが、唇から浮かない色で、結果周囲からも浮かないカラーであることが支持された理由の1つといえるかもしれない。大学生が学校に行くときは、肌なじみがよく浮かないからと、30代~40代の支持が高いブランド、メディアを使っているというのが面白い。キャンメイクなどは浮いちゃうそうである。パーソナルカウンセリングでも「浮かないカラー選び」をユーザーが欲しているのかどうか、見極める必要がありそうだ。(アイスタイル リサーチプランナー 西原羽衣子、原田彩子)
Text: 林美由紀(Miyuki Hayashi)、編集部