残るリップ

BeautyTech関連記事まとめ2.13-2.19

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今週は、コロラド大学が開発した自己修復できる電子皮膚や、ニューヨークでミレニアル世代に注目されている農場直送コスメなどユニークなアイテムに加え、アマゾンインディアがインド国内最大手ECに対抗するためについに美容PB(プライベートブランド)を立ち上げる報道は大きな話題を呼んだ。

■コロラド大学、自己修復と再利用可能な電子皮膚を開発

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出典:CU Boulder Today

コロラド大学ボルダー校の研究チームは自己修復と再利用が可能なウェアラブル電子皮膚を開発したと発表。触感の圧力、温度、湿度、空気の流れなどを測定するセンサーが組み込まれており、たとえば、ロボットに赤ちゃんの世話をさせるときに、ロボットの指にこの電子皮膚を装着させれば、センサーを通じて赤ちゃんの状態を感じとって最適な力加減で扱えるようになる。柔軟性に優れ、人間やロボットの手足などの曲面にもぴったり沿ってはることができ、つけ心地もストレスフリー。また、もし、破れたり破損した場合もエタノール系の物質を塗布するだけで修復可能。センサーを含むすべての部品はリサイクルができるため経済的で、環境にも配慮している。
(2018年2月9 日)

CU Boulder Today:New malleable 'electronic skin' self-healable, recyclable

■20代の半数が化粧品のEC購入経験なしと回答

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出典:BWRITE

マーケティング情報メディアBWRITEが行った「ECについての意識調査」により、20代~40代の女性がどんなサイトでどれくらい化粧品を購入しているかが明らかになった。化粧品の購入頻度について年代別で調べたところ、20代の半数、30代、40代の4割がECでの購入経験なしと回答。だが一方で、化粧品をECで購入した人のみに絞ってみてみると若い年代ほど頻度が高かった。また購入に利用するサイトやアプリは、40代ではメーカー直販サイトがおよそ60%を占め、20代はメーカー直販サイト以外が約58%だった。メーカー直販ではどの年代でもオルビス、DHCが上位に入り、その他のサイトでは20代はアマゾン、30代、40代は楽天市場が1位となった。(2018年2月13日)

BWRITE:20代の半数「化粧品のEC購入の経験なし」。EC調査 化粧品編(1)購買行動と購入サイト

■GLAMGLOW がSNS上で最も話題のスキンケアブランドになったワケ

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出典:GLOSSY

女優、モデル、メイクアップアーティストのために開発されたハリウッド発の泥フェイスマスクが引き金となり、オンライン上で爆発的な人気となったGLAMGROW。SNSで成功した理由はまず、ラメがきらめくマスクの強烈な視覚効果にインスタグラマーがとびついたこと。同時にYoutubeでの拡散もめざましかった。そして、その背景にはGLAMGROWの企業努力がある。約74万人フォロワーを持つInstagramのメインアカウント以外に、イギリス、南アフリカなど地域ごとにアカウントをローカライズして運営。さらには、インフルエンサーに対し新製品の無料提供や報酬を支払うインフルエンサー・パートナーシップを実施。たとえば、25万人以上のフォロワーを持つブロガーが製品を紹介するコンテンツをポストすると、それをGLAMGROW公式アカウントでリポストし、さらなる話題を獲得する仕組み。若い男性の美容ブームに着目し、男性インフルエンサーとの連携にも積極的だ。戦略が功を奏し、ブランドのメディア価値評価額は630万米ドル(約6億7,000万円)と前年比54%の増加、クリニークなど老舗を抑えて、スキンケア業界で堂々の1位に輝いている。(2018年2月13日)

GLOSSY:How Glamglow became the skin-care brand with the most buzz on social

■アマゾンインディア、Flipkartに対抗し美容関連のプライベートブランド立ち上げを計画

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出典: GLOBAL COSMETICS NEWS

アマゾンインディアが、スキンケアやメイクアイテムなど、美容やパーソナルケアのプライベートブランドの立ち上げを計画している。巨大なファッションECのMyntraやJabongを傘下にもち、インド国内で高いシェアを占める地元大手ECのFlipkartに対抗するためだ。Myntraはすでに100以上のスキンケア関連商品を販売しており、今年後半には自社ブランドを発表予定。ウォルマートがFlipkartに出資するという噂もあり、アマゾンインディアの動きは、インドのコスメ&ファッション市場で戦う準備とみられてる。(2018年2月13日)

GLOBAL COSMETICS NEWS:Amazon India to beef up beauty as Flipkart acquisition ups the stakes

■ニューヨークのミレニアル世代が注目する農場直送のコスメ「ファーム・トゥ・フェイス」

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野菜や肉などの生産者とレストランが提携し、生産地から直接新鮮で質の高い食を提供する「ファーム・トゥ・テーブル」は、食の安全や環境保全にこだわるミレニアル世代に支持され、ニューヨークでは定着しているコンセプト。その化粧品版の「ファーム・トゥ・フェイス」が、ここ数年で急増している。代表的なブランド、タタ・ハーパー(TATA HARPER)は、バーモントの自家農園で原材料となる植物を栽培、保存料や添加物を一切含まないスキンケア製品をシリアルナンバー付きで製造し、新鮮な状態で消費者に届けている。ほかにも、ニューヨーク郊外の農園で種の植えつけから摘みとりまで一貫して人の手で行っているオーガニック・スキンケアラインにも注目が集まっている。(2018年2月15日)

日刊ゲンダイヘルスケア :米ミレニアル世代が支持 NYでは化粧品も“農場直送”の時代

■ストライプとソフトバンクがタッグを組みF2層向けECデパートをオープン

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出典:FASHION NETWORK , 画像:Fashionsnap

ストライプインターナショナルとソフトバンクが合弁会社を設立、35歳~49歳のF2層女性をターゲットにしたECモール「ストライプデパートメント」をオープンした。オンラインで百貨店同様のショッピング体験を提供するため、約600ブランドの6万点以上のアイテムをラインナップ。現在の取り扱いはウィメンズが8割、アパレルと雑貨の比率は6対4となっており、今後はスポーツ関連や海外のハイブランドの出店も視野に入れる。商品3着まで8日間返送料無料の「試着サービス」、プロのスタイリストにチャットで相談できる「パーソナルスタイリング」、ソフトバンクの技術を導入した「AIチャットボット」という3つのサービスでECがもつ課題の解消を狙うとともに、ストライプのファッションマーケティング力とソフトバンクの最新テクノロジーの活用により、独自のサービス構築と効率的な集客の実現を目指す。(2018年2月15日)

FASHION NETWORK:「日本一のファッションECデパートに」ストライプとソフトバンクの合弁会社がF2層向けオンラインモール開設

■キールズ、顧客獲得と維持のためのテキストメッセージとAI戦略

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化粧品ブランドのキールズは自社ECへの集客と顧客の維持、セフォラなど販売パートナーとの差別化を図るため、テキストメッセージでの注文やAIによる再注文機能を導入している。具体的には、顧客が過去に購入した商品を使い切る時期をAIで予測し、適切なタイミングでeメールやテキストメッセージで再注文を促す。キールズは他のECモール同様に速さや効率を追求する一方、自社チャネルでカスタマーに購入し続けてもらう、1対1の関係の維持が大切だと考え、人の意思決定を支援するコグニティブ技術の一環としてAIを活用していくとしている。(2018年2月15日)

DIGIDAY:テキストメッセージと AI で、顧客維持を狙うキールズ

@cosmeのユーザー動向、今回のキーワードは「落ち方きれい」

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ラスティングは、「色の持ちがよい」という意味合いが減少し、「色が残る」という観点で使われることが増えた。ファンデーションでも以前から「崩れ方がきれい」(意味として、よれない、しわに入らないとか毛穴落ちしない、つまり汚らしくならない感じをこう表現している。多少のてかりやくすみは許容範囲)という表現が使われているが、リップアイテムでも、いかに落ち方がきれいかという期待感が出てきている。食べたり飲んだりしたら色が落ちるのは当たり前だが、その中で輪郭だけ残ってしまうとか、ラメだけ残るなどの、さびしい残り方はは避けたい。リップメイクは落ちることが前提の上で、いかにうっすらきれいに色が残っているのかが重視されているようである。(アイスタイル リサーチプランナー 西原羽衣子、原田彩子)

Text: 林美由紀(Miyuki Hayashi)、編集部 
Top Image: Zulmaury Saavedra via Unsplash