【関連記事まとめ】ロレアルが肌再生のカギとなるヒトニューロン生成に成功ほか
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<2018. 8.28-9.3 BeautyTech関連記事まとめ>
今週は、ロレアルがブラジルの研究所と共同でヒトニューロンの生成に成功したニュースのほか、ビジュアルナビゲーションをECに導入したフォーエバー21、インテリアのオンラインチャットサービスを開始したベルメゾンなど、テックによるパーソナライズ化サービスの話題も目立った。
■フォーエバー21がビジュアルナビでの検索導入
出典:WWD JAPAN
フォーエバー21は、AIやコンピュータービジョン開発のベンチャー企業ドンデサーチのビジュアルナビゲーションツールを自社ECに導入する。これにより、言葉による検索ではなく、スカートの丈や首回りのデザインなどアイテムから検索でき、表示されるビジュアルを見て好みの服を選ぶことができるようになる。先行してアプリにテスト導入したところ、平均購買率が2割増になったため、利用を拡大したとする。(2018年8月27日)
WWD JAPAN:「フォーエバー21」がECサイトにビジュアルナビを導入 言語の壁を打破
■ ロレアルとブラジルの研究機関が共同で感覚刺激ヒトニューロンの生成に成功
ロレアルの研究機関 L’Oréal R&I はブラジルのD’Or Instituteと共同で、皮膚の再生のカギを握る、感覚刺激に反応するヒトニューロンを生成することに成功した。アンチエイジングに関わる皮膚再生研究を一歩深化させる発見であり、今後、新しい美容製品の開発に役立つことが期待される。(2018年8月27日)
GLOBAL COSMETICS NEWS:L’ORÉAL UNLOCKS KEY TO SKIN RENEWAL; BRAZILIAN D’OR INSTITUTE AND L’ORÉAL R&I DEVELOP RESPONSIVE HUMAN NEURONS
■ベルメゾン、ユーザーの希望に沿ったインテリアをチャットでレコメンドするサービスを開始
出典:Markezine
千趣会は同社が運営するECベルメゾンで、ユーザーの要望に合ったインテリアをレコメンドするオンラインチャットサービス「ベルメゾンインテリア相談」をスタートした。スマホやPCから利用ができ、経験豊富なオペレーターがヒアリングして、より具体的なインテリア・コーディネートを提案することで、何を買えばいいかわからないというユーザーの悩みに応える。(2018年8月29日)
Markezine:
ベルメゾンでオンラインチャットサービスが開始 ユーザーの要望に合ったインテリアをレコメンド
■検索不要の提案型サロン予約アプリrequpoが2.3億円の資金調達
出典: TechCrunch JAPAN
ユーザーのリクエストに対し美容師からの提案が届くサロン予約アプリrequpo(リクポ)が、VCやアイスタイルなどを引受先とする第三者割当増資により、総額約2.3億円を調達した。requpoは、従来の自分の条件にあった店舗や美容師を探す検索型ではなく、エリアやメニュー、希望金額、おねだり、日付、時間、髪型(任意)を登録すると、美容師からオファーがくる仕組みで、2016年にビジネスモデル特許を取得している。同社は今回調達した資金で、エンジニアを中心とした人材採用と、プロモーション強化を行う予定。(2018年8月29日)
TechCrunch JAPAN:
“検索がいらない”サロン予約アプリ「requpo」がVCやアイスタイルらから約2.3億円を調達
■レンタルプラットフォームAlice.style、スマホで開閉する受け渡しロッカーSPACERと提携
出典: PRTIMES
CtoCのシェアリングサービスAlice.styleは、スマホで開け閉めする受け渡しロッカーを運営するSPACERとの業務提携を発表した。これにより、レンタルプラットフォームでシェアリングをする双方にとって便利な、配送料や待ち合わせなど時間の調整がいらない匿名受け渡しが実現する。レンタルをする際に受け渡し方法として利用者がSPACERを選択すると、出品者はSPACERに商品を届けて施錠しURLで利用者に鍵を送り、利用者はSPACERに商品を取りに行く仕組み。早ければ数時間で取引が完了し、煩雑なやり取りを割愛できる。(2018年8 月29日)
PRTIMES:
“持たない自由”実現するレンタルプラットフォーム「Alice.style」、スマホで開け閉めする受け渡しロッカー「SPACER」と業務提携
■イヴ・サンローラン、メイク特化のコンセプトストアを新宿ルミネ2にオープン
出典:WWD JAPAN
イヴ・サンローランは、メイクアップに特化したコンセプトストア「イヴ・サンローラン・ボーテ デア トゥ ステージ」を9月12日新宿ルミネ2にオープンする。店内には、気になるアイテムを自由に試せるメイクアップ ブラウジングテーブルや、ブランド初のリップアイテムの自動販売機が設置される。また、購入したリップアイテムにメッセージや名前を刻印するなどパーソナライズに対応するさまざまなサービスも提供し、数量限定品も販売の予定。(2018年8月29日)
WWD JAPAN:リップの自動販売機を設置 「イヴ・サンローラン」がメイクに特化したコンセプトストア
■ロレアル傘下のキールズがルーマニアでECをローンチ
キールズは、ロレアル傘下のブランドで初めてルーマニアにECサイトをオープンする。ルーマニアのEC普及率はまだ低く、小売売上高の5.6%だが、コスメ分野では7.9%がオンラインで購入しており、今回のECのオープンは、地域に即した展開を進めるロレアルのデジタル戦略にとって、マイルストーンとなるとみられている。(2018年8月29日)
GLOBAL COSMETICS NEWS:KIEHL’S DEBUTS E-COMMERCE SITE FOR ROMANIAN MARKET
■合意なしのEU離脱は、英国のファッション産業に大打撃の可能性
業界動向レポートを出版する英国Plimsoll Publishingが、英企業登記局からの最新データをもとに分析したところによると、英国が合意なしにEUを脱退した場合、ラグジュアリーおよびアパレル産業が大きな打撃を受ける可能性があると発表した。英国の輸出の43%がEU域内に向けられており、ラグジュアリー企業の55%、アパレル企業は63%が国外への輸出を行っているため、合意なしのEU離脱は、価格高騰や手続きの増加などにより事業に大きな影響を与えることが懸念されている。
FASHION NETWORK:英国、合意なしのEU離脱ならラグジュアリー・ファッション両業界に大打撃
■@cosmeのユーザー動向、今回のキーワードは「商品カテゴリーのボーダーレス化」
2018年に入ってから、これまでのカテゴリーの枠にはまらない、マルチなアイテムが増加している傾向にある。たとえば、2018年「上半期新作ベストコスメ」の「その他ファンデ」部門で1位のケイト「パウダリースキンメーカー」は、リキッドファンデーションの均一性と密着感をもちながら、パウダーファンデーションの軽い仕上がりを両立させている。そのほかにもラベンダーカラーで肌に透明感やツヤを与えるUVのスキンアクア「トーンアップUVエッセンス」が日焼け止め部門の1位に輝くなど、カテゴリーにとどまらないプラスアルファの機能を備えた商品が支持されている。また、「スキンケアパウダー」「マルチUVケア」といった部門が新設され、スキンケアとメイクの境界もますます曖昧なものになってきているようだ。このような風潮にともない、生活者の商品選びにも変化が生じるのではないだろうか。ファンデーションといったカテゴリーを起点に考えるのではなく、なりたい仕上がりや求める機能、使用感を軸にして商品を選択していく方向に向かっていくことが予想される。(アイスタイル リサーチプランナー 西原羽衣子、原田彩子)
Text: 林 美由紀(Miyuki Hahashi), 編集部
Top image: chuttersnap via Unsplash