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アリシア・キーズがパートナーに選んだe.l.f. Beautyの理念とコミュニケーション

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新型コロナウイルス禍でカラーコスメ市場が低迷するなか、クリーンビューティで知られるe.l.f. Cosmeticsを展開する米国 e.l.f. Beauty が快走を続けている。2018年に陥った不振からのこの好調を支えるのが、理念にもとづく周到なデジタルマーケティングと顧客ロイヤルティプログラムだ。その試みを前後編で紹介する。まずはその経営やブランド運営方針とデジタルマーケティング施策について。

TikTokなど積極的なSNSマーケティングと社会課題へのメッセージでZ世代に人気

e.l.f. Beautyは、100%ヴィーガンとクルエルティフリーを掲げるカラーコスメとスキンケア商品ブランドの「e.l.f. Cosmetics(エルフ・コスメティックス、以下e.l.f.)」を筆頭に3ブランドを展開する。

e.l.f.は、中国でのOEM製造によってコストを抑えつつ、高品質のクリーンビューティアイテムを買いやすい値段で提供することで知られる、Z世代向けのD2Cブランドだ。2004年にオンラインで1ドルからの低価格でカラーコスメの販売を開始し、若年層を中心にファンを獲得している。現在はターゲット、ウォルマート、ウルタ・ビューティなど主要小売店とそのECサイトでも販売する。

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出典: e.l.f. Cosmetics公式サイト

e.l.f. Beautyによると、同ブランドは金融および調査会社のパイパー・サンドラー(Piper Sandler)が年2回発表するティーンの人気コスメブランドランキングで、2019年の第4位から2020年は第2位に順位を上げた。Z世代での高い人気は、TikTokを利用したマーケティングの影響が大きい。e.l.f. は2019年10月、約15秒のオリジナル曲にあわせてユーザーが口パクで歌った動画を募る「#eyeslipsfaceチャレンジ」を実施。動画の視聴回数は2021年4月初旬時点で74億回を超える。

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e.l.f.は2019年10月、TikTokで
「#eyeslipsfaceチャレンジ」を実施

e.l.f.はTikTokをマーケティングに活用した最初のビューティブランドの1つであり、これによってZ世代でのブランド認知度の一層の向上に成功した。2020年のホリデー商戦では、TikTokのほか、YouTube、Instagram、Spotifyを含む主要ソーシャルメディアで動画や音声によるキャンペーンを実施。12月にはTikTokと競合する米国のアプリ「Triller(トリラー)」でも化粧品ブランドとして初めて公式アカウントを設けるなど、矢継ぎ早に新たなデジタル施策を打ち出している。

同時にBLM(ブラック・ライブズ・マター)やLGBTQ+(性的マイノリティ)、動物愛護などの社会的運動を支援するメッセージ発信にも熱心で、それに共感する若者から支持を得ている。

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