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韓国トップエンジニアが開発、話題の新AR美容アプリ「Ticker」が正式リリース

◆ English version: Big Ticks for Ticker, a brand new South Korean AR beauty app that puts virtual makeup, social media, and online shopping at a swipe of your fingertips
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化粧品業界の新たなエンゲージメントツールとして脚光を浴び、またコロナ下において非接触マーケティングの重要な技術に位置づけられるARバーチャルメイク。「YouCam メイク」など関連サービスを展開するPerfect Corp.、またロレアルに買収されたModiFaceなど主要ベンダーがグローバルで市場獲得競争を繰り広げるなか、韓国ではAR技術に注力したビューティ・プラットフォーム「Ticker」が誕生し話題を集めている。注目される理由と韓国国内のARメイク事情に迫る。

9件の特許技術を出願したARビューティ・プラットフォーム

Tickerは、誰もが簡単に美しく写真やビデオを撮影・編集し、バーチャル体験、ビデオ通話、SNS体験、ショッピングまで楽しめることを目的とした総合ビューティ・プラットフォームというコンセプトを掲げる。2020年12月にβ版のユーザー募集がかけられ、2021年3月15日に正式版がリリースされたばかりだ。

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出典:Ticker 公式サイト

β版の段階から、Tickerが韓国で話題となった理由はいくつかあるが、まずは運営会社であるTachyon B&T(以下タキオンB&T、旧称はタキオンホールディングスで2021年3月に社名変更)の存在が大きい。同社は2018年に設立されたビューティテック専門のテクノロジー企業で、もともとはインダストリー4.0(第四次産業革命)時代の先端技術に特化した持株会社としてスタートした。それは、同社がAIやARなどさまざまな特許技術を保有しており、その技術を利活用した多様なプロジェクトのインキュベーションを事業の柱にしてきたことを意味する。

そんなタキオンB&T が、自社サービスとして満を持してリリースしたのがTickerだ。開発は、韓国国内屈指のIT企業であるカカオやLINE GAMES出身のトップエンジニアたちが担っており、Tickerを支えるメイン技術9つは特許出願をすでに終えたという。

特許詳細名については公式サイトに掲載されているが、Tickerに実装される技術としては、ARバーチャルメイクなどビューティ機能を使いながらビデオ通話できる「リアルタイムフェイストラッキングを通じたモバイルオブジェクトウェアリングシステム」、写真や映像をSNSに共有した際に自動的にハッシュタグが登録される「自動ハッシュタグシステム」などがある。出願された特許群は、自撮りの美肌補正やパーツ修正などができる既存のビューティカメラアプリやAR技術の課題を解決し、より高いパフォーマンスを実現するための技術だと説明されている。

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出典:タキオンB&T公式サイト

興味深いのは、タキオンB&Tが中国でARメイクサービスの筆頭であるMeituと技術提携を結んでいる点だ。もともとAR関連で技術開発に力を入れてきたMeituが韓国で技術提携関係を結んだ例は過去になく、タキオンB&Tが初めてとなる。タキオンB&Tは自社開発技術に加え、Meituの技術もTickerに盛り込んでいくとしている。

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