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米Benefitなどが狙う、グローバルで7,300万人の「女性ゲーミングコミュニティ」

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デジタルマーケティングに秀でたBenefit Cosmeticsが、新たなファンセグメントとして開拓を図るのは “女性ゲーマー” だ。eスポーツの世界大会のスポンサーを務めたり、ゲーム用メイクを紹介するゲームフェイスキャンペーンを展開するなど積極的なアプローチを見せている。COVID-19で各国の外出規制が続くなか、オンライン・コミュニケーションのしやすさでも今度注目を集めそうだ。

近年、ビデオゲームなどオンライン上での対戦をスポーツ競技として捉える「eスポーツ」が盛り上がりを見せている。マーケット分析を行うStatistaによると、グローバルでの市場規模は2018年の約8億6,500万ドル(約933億円)から2022年には約180億ドル(約1兆9,000億円)と、20倍近くにまで成長すると試算されている。世界各国で行われる大会には多くのゲームやIT関連企業がスポンサーとして出資しているが、最近ではファッションやビューティ分野のブランドも見受けられる。

巧みなデジタルマーケティング戦略で業績を伸ばすBenefit Cosmetics(以下、Benefit)も女性ゲーマーのコミュニティという、コスメブランドにとって有望なセグメントの獲得を目指す一社だ。同社のゲーミングコミュニティを通じた女性へのアプローチとはどのようなものか。

デジタルマーケの巧手として知られるBenefit

1976年に米国サンフランシスコにて創業、製品のクオリティはもちろんのこと、レトロポップなデザインがミレ二アルやZ世代に大きな支持を得るBenefit。1999年に買収によりLVMH傘下に入ったのちはオンライン施策にも力を注ぎ、近年はSNSやアプリを活用してデジタルマーケティングを積極的に行ってきた

ターゲットを細分化したミクロマーケティングでは、クリスマスなど商戦時期に広告としてのオフィシャル投稿でピンポイントな販促イベントを行う一方で、ファンのエンゲージメントを高め、コミュニティの連帯感を強める施策にも力をいれる。

たとえば、目隠しをして行ったメイクアップの写真をSNSに投稿する「the blindfolded makeup challenge」に参加するなど、ユーザーが自分も試したくなるような遊び心のある企画で、ブランドの認知度を上げ新規ファンを獲得する施策を行ってきた。またユーザーの自発的な投稿を促し、顧客の趣味嗜好に関する情報を収集したり、アイテムに関する質問へも個別に返答したりと、親しみやすくインタラクティブなユーザーとのコミュニケーションを意識している。

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