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韓国ヴィーガンスキンケア「owndo」は地域創生を哲学に、グローバル市場開拓へ

◆ English version: South Korean vegan skincare brand Owndo helps bring out the inner beauty of both user and local producer
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前回の記事では、韓国のヴィーガンコスメブランドの詳細を取り上げたが、なかでも異彩を放つのが「地方創生」をテーマに商品を展開するヴィーガンコスメブランド「owndo(オンド)」だ。その運営企業BLOCALLYのキム・ジヨン代表に話を聞いた。

広告代理店出身の女性起業家が立ち上げたヴィーガンブランド「owndo」

欧米の美容業界を中心にヴィーガンコスメがトレンドとなるなか、韓国でも近年、新たなブランドが続々と登場している。なかでもowndoは、地域ブランディング企業BLOCALLYが 2020年1月にローンチした、ユニークなポジショニングをとるヴィーガンコスメブランドだ。

代表を務めるキム・ジヨン氏は起業前はLGアドという韓国の大手広告代理店に勤めていた経歴をもつ。在職中には、系列企業であるLG生活健康など大手化粧品メーカーの広告業務のほか、企業・自治体のCSV(共通価値の創造)キャンペーン、地域ブランディングキャンペーンにも携わっていた。ソウル市とともに手がけた「心の薬房」という自殺防止キャンペーンでは国際的な広告賞も受賞している。

「LGアドを退社してすぐに、英ロンドンや京都など、地域ブランディングがうまくいっているエリアをみてまわり、帰国後にブランド+ローカリーという言葉を掛け合わせたBLOCALLYという、地域の価値を掘り起こすことでブランドを立ち上げる会社を設立した。そして、このビジネスを具現化するプロジェクトとしてローンチしたのがowndoという自社ブランドだ。その名称には、肌に合う温度、地域の温度、季節の温度など、重層的な意味が込められている」(キム氏)

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BLOCALLY 代表 キム・ジヨン氏

キム氏らがowndoの製品開発にあたり最初に目をつけたのは、全羅南道の田舎町のスマン里、そして同地域に自生する「九節草」という野草だった。スマン里の世帯数はわずか25。最年少である里長も60代と、韓国では “消滅都市”と呼ばれる過疎化が著しいエリアだ。里では昔から九節草の花を使用した生薬づくりが盛んだったが、里から人が離れていくにつれ関連産業も衰退。休耕地が増え、土地の整備もままならず、里の風物詩となっていた九節草が咲き誇る風景も徐々にすたれ始めていた。

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九節草の群生
出典:韓国・井邑市公式サイト

owndoでは、皮膚の温度を一時的に下げる抗酸化作用など、九節草に含まれる効能に加え、スマン里の歴史や現在を改めて精査。里の伝統や、地域を再生するプラン、また名産品である九節草を現代的にリブランディングするストーリーを組み立て、九節草を配合した商品ラインの開発を決める。

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