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CES 2018レポート 時間も場所も選ばない美容ガジェットたちの進化

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前回のCESレポート、「欧州スタートアップの活況とパーソナライズ化の波」に続いて、ここではそのほか気になった美容ガジェットを紹介したい。時間も場所も選ばず、時短かつパーソナライズ。美容はどんどん自由になっていくのだということを感じさせる。

重さ1kg未満のコードレスヘアドライヤー

コードレスヘアドライヤー「The VOLO Go Cordless Dryer」を発表したのは、長年美容業界に身を置き、アメリカ・南カリフォルニアで21の店舗とサロンを経営してきたRyan Goldman氏率いるVOLO Beauty。重さ900gと軽量のうえ、コードレスのため、好きなところに持ち運んで使用できるのが一番の特徴。最大駆動時間は14分で、本体のカラーは黒と白だ。

電気自動車に搭載されているものと同じリチウムイオン電池を採用することで、エネルギー効率が高く、サロンのドライヤー並みのパワフルな風量を実現している。また髪へのダメージを減らすため、赤外線熱を使用。同商品は現在特許申請中で、まだ価格は明らかになっていないが、ウェブサイト上ではすでに予約注文を受け付けている。これまでドライヤーは洗面所や寝室など使う場所が限定されてきたが、そうした場の制約から解放されるとあって米国メディアからの注目も高い。

出展中、同社はDysonのコードレス掃除機を引き合いに出し、いかにコードレスが有用かを説明していた。The VOLO Go Cordless Dryerをきっかけに、ドライヤー市場でも一気にコードレス化が進むことが予想される。

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AIが肌の水分量を分析、適量のミストを噴射

乾燥は肌の大敵、潤いある肌を保つためには水分補給が欠かせない。だが、一方で肌に適切な水分量を与えられているのかを確認するのは難しい。「Mili Pure Spray」は、搭載したAI(人工知能)が現在の肌状態を分析し、必要な量のミストを噴射するハンディミスト。本体は3つのパーツから出来ており、先端のカプセルでは内部に設置された2本の金属棒が、タンク内の水に水素を注入して水素水を作り、中央部の噴射口からミストが出てくる仕組みだ。

下部はセンサーになっており、専用スマートフォンアプリを起動して、手、目元、顔、首の肌に押し当てると肌内部の今の水分量が分析できる。この結果に基づき、AIが肌状態にあった水分量を計算して適量のミストを放出する。測定した肌状態は日、週、月単位でアプリに保存されるため、肌の潤い度が改善していく過程がひと目で分かる。価格は79.90ドル。

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肌状態の確認からバーチャルメイクアップまでできるスマートミラー

すでに日本でも販売中のタッチパネル式のスマートミラー「Hi Mirror
の進化版として、今年新たに13インチ(約33cm)の「Hi Mirror Mini」が登場する。従来製品は17インチ(約43cm)でカメラが鏡の上部に取り付けられた壁掛けタイプだったが、Hi Mirror Miniは鏡にカメラを内蔵した卓上型になった。

デザインの変化だけでなく機能面も強化し、より実用性の高い商品になっている。カメラで顔を撮影し、顔色、小じわ、くま、シミ、毛穴、肌荒れなどの状態を評価、分析してスキンケアのヒントを教えてくれる機能や、使用中の化粧品を登録して日々の肌コンディションをトラッキングできる機能、Amazon Alexaを搭載し音声で操作できるオプションはもちろん、メイクの参考になるバーチャルメイクアップ機能を新たに追加。AIが鏡に映った人の顔に、まるでメイクを施したかのような状態を作りだして見せてくれる。

左右のLEDライトは色調が調整できるので、夜のパーティといった、これから出かけるシーンを想定した明るさでメイクのチェックが可能。同製品は、「CES 2018イノベーションアワード」を受賞している。日本での発売時期や価格は未定。

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自分専用栄養ドリンクを作れるスマートボトル

トロピカルフルーツ味など、全7種類のフレーバーから摂りたいビタミンや栄養成分が入ったポッドを選んで装着、自分専用のパーソナライズドドリンクが作れるスマートボトル「LifeFuel」。食洗機対応のボトル部分に水(スパーリングウォーターも可)を入れ、底部に好みのポッドを差し込み、スタートボタンを起動させると、その場ですぐにヘルシードリンクが完成する。

ポッドは全部で3つまで収納可能。ポッド1つで15回分のドリンクができる。人工の防腐剤や甘味料、乳成分、グルテン、大豆は一切使用しておらず、低カロリーで自然な味わいを楽しめる。Apple Watchなど他のウェアラブルデバイスとも連携でき、デバイスを通じて収集したデータを元にその人に合ったポッドの提案もする。スマートフォンアプリを通じて摂取した水分量や栄養素をトラッキングし、健康的な生活を送るためのサポートをする。2018年夏頃の販売を予定しており、現在ウェブサイト上で予約注文を受け付け中。

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90秒でフェイシャルトリートメントができるスマートマスク

昨年、“世界初のシリコーン製洗顔デバイス”「LUNAシリーズ」により、日本でも大きな話題を呼んだスウェーデン発のForeo社。今年の同社は、90秒でスパレベルのフェイシャルトリートメントを可能にするスマートマスク「UFO」を発表した。

フェイスマスクは世界中で大人気のアイテムだが、20分間シートを顔に貼りっぱなしにする必要がある、美容成分が十分に浸透しにくいなど、使い勝手にはまだ課題が多い。また、泥パックなどのリキッドタイプは手がベトベトになり扱いにくく、日々手軽にケアしたい消費者にはなじまない。UFOはこうした不満に応えるデバイスだ。

マカロンのような可愛いらしさの丸型の本体に、専用の韓国製シートマスクをセットし、顔や首の肌にすべらせるように90秒間動かすだけでマスクと同じ効果のケアが完了する。使用中は、肌を温め毛穴を開いて角質深くまで有効成分を浸透させる「温熱セラピー」、冷却効果で肌をひきしめる「寒冷セラピー」、リラックス効果のあるフェイシャルマッサージを施す「T-SONIC振動」、コラーゲン生成を刺激したり肌のトーンを整えたりする「三原色LED光線セラピー」の4つのモードが選べる。

これには、「Make My Day」「Call It a Night」という2種類のケアプログラムがあらかじめ組み込まれているほか、スマートフォンアプリから振動強度やLED光強度など、自身の好みや肌状態に合わせた調整も可能。シートマスクは、日中用と夜用の2タイプが提供されている。発売開始前にKickstarter(米国のクラウドファンディングサイト)で資金調達をし、7,500人以上の支援者を集めた。CESでは謎めいた工場風のブースを設け、見学者にアイマスクで目隠しをして集団で入場させるなどの演出でも目立っていた。

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出典:FOREO

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世界的なヘルスケア志向でSleep Techの台頭も

CESを取材しBeautyTechブースを回った印象としては、いずれの製品もユニークで興味をそそられるアイテムである一方、全体的に数が少なくやや盛り上がりに欠ける印象があった。今回CESでは、睡眠の質をテクノロジーで向上させる「SleepTech」エリアが目立っており、BeautyTechは、少しその影に隠れてしまっていた感は否めない。世界的にもヘルスケアや、ウエルネストレンドが強くなってきている影響もあるだろう。

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ただし、スマートマスクの「Foreo」やコードレスドライヤーの「The VOLO Go Cordless Dryer」のように、既存の製品が抱えていた問題をテクノロジーで解決するという意味では、美容分野でできることはまだまだあり、来年はもう少し状況が変わることも予想できる。いずれにせよ、BeautyTechが、毎日のスキンケアやヘアケアを、場所や時間を選ばず、いつでも自分に寄り添ったものになっていく流れ自体が加速しているのは間違いない。

Text&Photo:公文紫都(Shidu Kumon)

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