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ロレアル、ユニリーバ、エスティ ローダー。2018年上半期デジタル施策総まとめ

◆ English version: How Beauty’s “Big 6” are winning in beauty tech
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化粧品の売上上位6社のデジタル施策と事業開発をまとめた。今回は6社のうち1位~3位企業のロレアル、ユニリーバ、エスティ ローダーについて紹介する。大きな特徴はパーソナライズなどのデジタル対応はすでにあたりまえになっていること。その先の成長に対して、消費者が求めるナチュラル志向や企業としての透明性・倫理観への対応が際立った。4位~6位企業については次回に紹介予定だ。

※ランキングは、BeautyPackaging のTOP20 GLOBAL BEAUTY COMPANIESより

2017年はBeauty企業によるAR(拡張現実)やパーソナライズ等の技術に投資が集まったBeautyTechイヤーだったが、2018年のキーワードは、ナチュラル、情報開示による透明性など、消費者動向により大きく変わり、とくに世界の消費を大きく動かしているミレニアル世代の価値観に大きく影響されている。また、スマート・ストアなどのin-storeテクノロジーのトライアル導入も出てきている。

デジタル領域では、デジタルに積極的に投資をし、同領域でのジャイアントを目指すロレアル、エスティ ローダーに対し、自社ブランドを守り、透明性高く、倫理性高くデジタルメディアを使っていこうとするユニリーバと、各社の戦略が明確に分かれている。一方で3社ともナチュラル領域への投資を進めていることが顕著にあらわれた。

1位 ロレアル
テクノロジーで顧客体験を向上させる動きに加速

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「データ+パーソナライゼーション=顧客体験」を追求しながら、ナチュラル、ラグジュアリーなどの領域を積極的に攻めている。BeautyTech.jp編集部でも「ロレアルによるModiFace買収の衝撃、AR分野を制するのは?」で取り上げたが、3月のModiFace買収は、顧客にとって使いやすく、付加価値の高いサービスを技術の力を使って実現しようとしているロレアルならではの動きだ。5月にパリで行われたViva Technology Parisでは、ModiFaceをはじめとするARやVRのテクノロジーを使い、バスルーム、ヘアサロン、ブティックの3つの領域における新しい美容体験をプロモーションし、BeautyTech領域でのリーディング・カンパニーとして、業界を牽引している。また、急成長中のグルーミング市場についてはデビット・ベッカムと組んで攻略をもくろんでいる。肌のケアに関心が高いミレニアル世代を中心に急速に成長しているメンズ市場の特徴は、売上の約7割をECが占める。約4960万人(2018年7月時点)のインスタグラムのフォロワーを持つベッカムをアイコンとして、SNSを効果的に用い、ECにも力を入れる。

ロレアルのデジタルでの主な動き

● 3月16日 カナダのAR企業、ModiFaceを買収

● 5月17日 Viva Technology Paris 2018で新しいビューティー体験を紹介

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