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ディオールが社会に示す女性エンパワメント。その長期的視点、多様なプログラム

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フランスにおいて国際女性デーの3月8日は、女性のリーダーシップを考える機会にもなっており、美容企業も女性の機会均等を推し進めるべくそれぞれが力強いメッセージを発信している。なかでもディオールは、#DIORSTANDSWITHWOMEN や#DIORCHINUP というスローガンを掲げ、さまざまな領域で活躍する女性が自ら道を切り開いた経験を共有した。またキャンペーンだけでなく、実質的にも女子学生のためのメンタリングプログラムや、リーダーシップ育成などに取り組んでいる。

世界に向けてフェミニティを讃えるディオールのイニシアチブ

ディオールは、#DIORSTANDSWITHWOMEN、#DIORCHINUP のプロジェクトを通じて、女性に勇気、自己肯定、プライド、経験を伝え、フェミニティを讃えている。2021年は国際女性デーに合わせて、同メゾンのフレグランス「ジャドール」のアンバサダーを務める女優のシャーリーズ・セロン氏をはじめ、女優のナタリー・ポートマン氏、元フィギュアスケート選手のキム・ヨナ氏といった現代を代表する女性たちが自らの経験を語り、女性を鼓舞するメッセージをWebサイトやインスタグラム上で発信した。登場する女性は皆、情熱を持って社会と深く関わり、世界に影響を与える活動家でもあり、ほかの女性たちにインスピレーションを与えるロールモデルとして、誇り高くそれぞれの人生を語っている。

パルファン・クリスチャン・ディオールでは、セロン氏が2007年に医療教育機関ネットワークの支援を目的に立ち上げたCTAOP(シャーリーズ・セロン・アフリカ・アウトリーチ・プロジェクト)を支援している。この団体はサハラ砂漠以南のアフリカの若者が健康を保ち、その能力を発揮できるよう活動するもので、 2018年には明日を担うリーダーの支援と援助を目指し、UCLAセンター・フォー・ワールド・ヘルス・アンド・スタディトラストと提携して、CTAOPユース・リーダー・スカラーシップ・プログラム(若手リーダー育英事業)を創設した。個人給付型の奨学金制度で、4年間の授業料、食事や住居、書籍代や交通費、ノートパソコン、個別の育成指導とリーダーシップの援助が得られるというものだ。制度を利用する若者の多くは、自らの暮らす地域に根ざした熱意ある取り組みが評価された女性たちで、これまでに15名の若者が大学教育を終え、社会に旅立ったという。

また、2019年からは#DIORSTANDSWITHWOMEN のプロジェクトとして、CTAOPをより一層支援しており、シャーリーズ・セロン氏はこのプログラムで素晴らしい成績を収めた南アフリカの若き女性2人にインタビューしている。女性や子どもを暴力から守る裁判官になるべく法律を専攻し、さらには政治家を目指しているチェヴァリオ・スワンポール(Chevario Swanepoel)氏と、生物学者になり、地域社会に貢献する医療現場で働きたいと精力的に勉学に励んでいるモクワンダ・マントシンスキ(Nokwanda Mantshintshi)氏だ。セロン氏は、幼少期からの夢を生き生きと語り、地域の若い女性をインスパイアし続ける2人に惜しみない称賛をおくった。

ディオール初の女性デザイナーが表明したフェミニズムへのコミットメント

ディオールは、#DIORSTANDSWITHWOMEN や#DIORCHINUP プロジェクト以前から、女性のエンパワメントを訴えてきたが、転機となったのは、マリア・グラツィア・キウリ氏がディオール史上初の女性のアーティスティック・ディレクターに就任したことだろう。

ディオールは、1947年にクリスチャン・ディオール氏がオートクチュールメゾンとして立ち上げたブランドだ。第二次世界大戦終結から2年というタイミングで、なだらかな肩のラインに細く絞ったウエスト、長いフレアースカートといったエレガントなコレクションを発表。そのスタイルは「ニュールック」と称賛され、世界的な成功を遂げた。同氏の亡き後は、イヴ・サン・ローラン氏、ジョン・ガリアーノ氏など多才な男性デザイナーが同メゾンの精神を受け継ぎ、時代に合わせたコレクションを発表してきた。

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