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オドレート、Tシャツで体臭ケアをパーソナライズ化。美容や医療へも応用可能な技術

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2000年以降、大手企業による体臭研究成果とそれに紐づくマス向け商品の登場で火が付き、日本人の体臭ケアへの関心は年々高まっている。そんななか、体臭を客観的な指標で「見える化」し、パーソナライズされた体臭対策のアドバイスを行うのがオドレート株式会社だ。体臭ケア市場の現状と、体臭研究が他分野にどのように応用される可能性があるのかについて、同社 代表取締役 石田翔太氏に聞いた。

オドレートが画期的なのは、キットで回収した一人ひとり異なる体臭を構成する、数多くの匂い成分を分子単位で詳細に分析して数値として提示した点にある。この科学的なエビデンスにより、より実効的なケア対策が提案できるとともに、各自が自分の体臭の“正体”を把握するのを可能にした。

日本人は、比較的体臭の少ない民族だといわれているが、清潔志向の強まりとともに体臭にも敏感になり、「無香を良し」とする風潮が年々広がっている。それは、働く人の8割が、体や服の臭いを気にしているというデータや、2人に1人が「スメルハラスメント」という言葉を認知しているといった調査結果からも明らかだ。

自然界には40万種類の匂い分子が存在し、そのうち数百種以上の体臭の成分が確認されている。体臭の原因は大きく2つに分類され、汗や皮脂が皮膚表面に存在する皮膚常在菌によって分解され酸化することで発生するものと、疲労やストレスなどの精神状態やホルモンの変動、食べ物などの生活習慣や疾病を原因とするものとがある。これらの要素が複雑に絡み合い、体臭に個人差がうまれる。

そこに注目し、専用の体臭測定キットで臭いの組成を測り、それぞれに合ったパーソナライズケアを設計するスタートアップが、オドレートだ。社名やサービス名の「オドレート」は、体臭を客観的に評価する「odorate = odor(臭い) + rate(評価する)」が由来となっている。

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オドレート株式会社
代表取締役 石田翔太氏

事業の発端は、石田氏自身が、学生時代に体臭で悩んだ経験にある。「体臭は自分ではわかりづらく、人にも相談しづらい。また、自分の体臭を客観的に把握できないので、対策をしてもその効果に自信が持てないことが多い。そこで、体臭を(数値として)“見える化”できないかと考えた」と石田氏。

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