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Cosmepolitan、各国OEMメーカーをDB化し世界中の「化粧品をつくりたい」に応える

◆ English version: Now anyone anywhere can create cosmetics with Cosmepolitan’s global OEM database
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シンガポールベースのスタートアップ、Cosmepolitanが挑むのは、世界中の誰もが簡単に、思うとおりの化粧品を高品質・低価格でつくれる世界だ。そのために化粧品製造で定評のある韓国や日本、ものづくりに力を入れる中国を中心とする各地の工場とのネットワークを構築し、将来的にはweb上で完結する「化粧品づくり」の実現を目指す。

韓国には、小ロットの化粧品ブランドを誰でも立ち上げられる環境がある。こうした要望に応えられるOEMメーカーをはじめとする関連企業が多数あるからだ。このことが、韓国を美容大国たらしめているともいえよう。学生でもアイディアと少しの手元資金があればブランドを素早く立ち上げ、市場の反応を見ながら少しずつブラッシュアップしていく手法をとれる。

とはいえ、実際に化粧品ブランドを立ち上げるとなると、R&Dや原料会社、OEM企業、パッケージ会社、物流などさまざまな企業との個別交渉と生産管理が必要になる。韓国ではその役割をOEMメーカーが引き受けるケースもあり、個人のブローカーも存在する。日本ではサティス製薬(2019年9月13日現在、新規受付を休止中)がD2Cブランドに特化したOEM先として知られ、製造だけでなくR&D機能やその他のサポートも行っているが、多くの場合、ブランド立ち上げ側が情報を集めて、交渉に持ち込むということになる。その情報もなかなか一箇所にまとまってはいないのが現状だ。

こういった化粧品製造に関わる企業、世界の工場をデータベース化することで、ブランドの作り手側の予算や納期、描いているイメージ、どこの国で作るかも含め、将来的にはどの国・地域からでもネットだけで化粧品ブランドをつくることを可能にする。それが2019年1月にシンガポールに誕生したスタートアップCosmepolitanだ。

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出典: Cosmepolitan pte. の公式サイトより

同社では、化粧品製造関連企業とのネットワークを強みに、つくりたいブランドのアイディアさえあれば最適な組み合わせをはじき出す。今現在は、サイト上で質問に答えていけば、どのOEMメーカー、パッケージ会社がよいかなどをスタッフがいくつか提示し、商品化までをサポートする。ベースとなるデータは、韓国、日本、中国などの1,000ヶ所以上の工場だ。そのうちの132社はcGMP認証(米国FDAが定めた品質基準の確認検査)、143社がISO22716(化粧品製造に関する品質認定)を取得済みだ。市場に出ている化粧品の名称、カテゴリー、成分などのデータも独自で収集し、その数は8万を超える。比較検討ができるようにするためだ。

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提供: Cosmepolitan pte. ltd. 
パンフレット

Cosmepolitan pte. ltd. の創業者でCEOのユン・ミジョン(Yoon Mijoung)氏はこう話す。

「化粧品ブランドにとって、中身の決定もさることながら、容器の選定もSNSマーケティングが主流のいま、それぞれの化粧品ブランドにとって重要なポイントになる。たとえば、日中韓でかなりの数の容器製造会社があり、容器のラベルや外箱のデザインや印刷はまた別会社だ。そのうえ、それぞれの工場の機械と規模によって作れる仕様やロット数なども変わる。そこをコントロールしながら、企業間の調整をしたりするのはかなりの工数を要する。また、コーディネートする企業や個人に依頼しても、そこだけの知識やネットワークに頼ってしまうことになる。こうした壁をとりはらいたい」。

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