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Glossierファンの自発的コミュニティからAIチャットまで「交流」づくりの最先端

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美容とファッションに特化したニューヨーク発のメディアGlossyが主催する有料会員向けプログラム「Glossy+」。同プログラムが行った、米国の美容マーケティング・フォーラムのパネルトークの模様をレポートする3回目。今回は、ミレニアル世代に人気の2つのコスメブランド「e.l.f.」と「Glossier」などのソーシャルメディアでの展開やコミュニティの育成、そして、チャットボットにおけるAIの可能性といった、各社のデジタル・マーケティングの実態と試みを紹介する。

データにもとづくSNSマーケティング

「どのようにソーシャル・ネットワークを活かせば集客につながるのか?」グロッシー・フォーラムの会場では、この質問がたびたび繰り返された。デジタル時代の今、マーケティングの主戦場はInstagramなどのプラットフォームに移り、ユーザーをけん引する主役はインフルエンサーへと変わった。ソーシャルメディア戦略はブランドの命運をも左右する重要性を帯びてきたといえる。

登壇した一社、美容マガジンのallureは、どのような投稿が読者の心を捉えるのか、Instagramのデータ解析にもとづいて導きだし、自社のInstagram Stories(インスタグラム ストーリー)のコンテンツや見せ方に反映させていると明かす。具体的には、以前はテキストがメインだったが、動画にシフトし、まずは見た目が楽しいアイキャッチ的なインスタグラムストーリーの15秒の動画でユーザーのエンゲージメントを図っている。

インフルエンサーやセレブを起用する場合は、直接話しかけるセルフィースタイルのほうが効果的なこともデータに裏付けられたといい、あえて「高画質にせず、洗練させすぎない」ことに配慮している。また、インフィード動画広告はパッと目に留まるインパクトをもたせつつ、ブランド認知につながる“わかりやすさ”と、より詳しい情報へ進んでもらうためのロジカルなリンクが必要だとした。

手頃な価格でありながらエシカル&クリーンなイメージで、ミレニアル世代に人気の高いコスメブランド e.l.f.は、マイクロインフルエンサーによるマーケティングをおもにInstagramで展開している。何億ドルもの広告費を必要とせず、ターゲット層にしっかりエンゲージする力が彼らにはあるからだ。ニューヨークのタイムズスクエアにビルボードを出した際も、一般ユーザーが広告の顔になった。

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グローバル・アーティスティック・ディレクターのエイチェル・リチャーズ氏は、インフルエンサーに対し一貫したブランドストーリーを伝える大切さを説く。e.l.f.製品自体は中国で製造されており、クルエルティフリー、パラべンフリーを提唱し、売上の一部を寄付するなどソーシャルアクションにも積極的だ。こうしたブランドのポリシーをまず、インフルエンサーに理解してもらい、彼らに最初にファンになってもらうことで、消費者に自分とコネクトするブランドだと思ってもらえる投稿ができるという考えなのだろう。

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