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一条やURなど、中国ユニコーンが提供する上質なライフスタイルと購買体験

◆ English version: For China’s middle class, ‘new retail’ unicorn startups offer higher-quality lifestyles and shopping
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中国のリテール分野でのユニコーン企業が紹介される非公開イベントがあった。消費者から支持される新しい購買体験はどのようなものなのか。食品、ライフスタイル、家具、ファッション、それぞれ異なるアプローチでユーザーを引きつける方法は美容業界でも学べる点が多い。

2019年6月14日、スタートアップ支援コミュニティ「EDGEof」が運営する渋谷のイベントスペースで、スタイラー株式会社・小関翼CEO、日本美食・董路(ドン・ルー)CEOの登壇のもと、中国のリテール分野のユニコーンを紹介する非公開のトークイベントが行われた。オンラインとデジタルの融合が進む中国のリテール環境において消費者の体験はどう変化し、どのような企業が成長を遂げているのか。イベントの内容より紹介していく。

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写真左・小関氏、写真右・董氏

高騰する中国国内ECの新規顧客コスト

今回のトークイベントは、中国のリテール分野のユニコーン企業を紹介しつつ、その背景にあるOMO(Online Merges with Offline)の仕組みや、また各社の成功に共通するマーケティング上のトレンドを紹介するものとなった。イベントに登壇した小関氏、董氏は、中国をはじめとするアジア地域のリテール事情について深い知見を有する起業家、経営者である。

両氏はまず、各ユニコーン企業を紹介する前提として、中国でオフラインに商機を見出す企業が増えているという実情を解説した。その背景には、EC上における新規顧客獲得コストの劇的な高まりがある。

「中国の大規模ECの新規顧客獲得コストは、ここ1年間で10倍ほど高騰している。たとえば、EC大手・JD.comの1人あたりの新規獲得顧客コストは約500元(約7,800円)。EC業界で破竹の成長を続けるソーシャルコマース大手の拼多多(Pinduoduo、PDD)は、3年前の設立当時は7元(約109円)だったが、今年になって180元(約2,800円)まで上昇している。一方で、1年半でオフライン店舗を1,000店以上も出店しているLuckin Coffeeの新規顧客コストは、およそ17元(約270円)と試算されている。これまで、ECなどオンラインの事業成長スピードはオフラインと比べて早いとされてきたが、中国では逆の現象が起きはじめている」(董氏)

いうなれば、中国ではEC上(=オンライン)の競争がレッドオーシャン化しており、オフライン、もしくはオンライン・オフラインを繋げた“第三の市場”に商機を見出す企業が増えていることになる。もちろん、オフライン店舗には土地代や賃料などオンラインにはない固有のコストがある。それでも、「ECだけでは稼げなくなるだろう」としたアリババのジャック・マー氏の予想がここ数年で中国の現実となり、新たな形態のリテールモデルを生み出す土壌となっている。

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