テルアビブ

ロレアルも投資。テルアビブ発ファッション&美容のテック動向

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「中東のシリコンバレー」と呼ばれるイスラエルは、歴史的背景からセキュリティ技術が強いイメージが先行しているが、ファッションやビューティーテックも台頭してきている。イスラエルのMUST WATCH企業やアライアンスの際の注意点をMillion StepsのCEOヨアブ・ラモト氏に聞いた。

人口845万人の小国にも関わらず、イスラエルは毎年1000社を超えるテック系スタートアップが誕生している。ナスダック上場企業は、米国、中国についで多い。Startup Genomeが2017年に発表した「Global Startup Ecosystem Report」では、シリコンバレー、ニューヨーク、ロンドン、北京、ボストンに次ぐ6位にイスラエルのテルアビブが入っている。

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Image: Perekotypole / Shutterstock.com

国としての歴史が浅いイスラエルが、ハイテク国家になったその背景には、近隣国との不安定な政治情勢から、軍事に力を入れ、セキュリティ・AI技術を戦略的に構築してきたことにある。

「8200部隊」出身者がアントレプレナーに

イスラエルではほとんどの国民が18歳での兵役を義務付けられており、兵役中に習得した技術を兵役終了後にビジネスとして活用することができるため、兵役が終わると起業をする人も多い。IT業界ではイスラエル国防軍の、いわゆる「8200部隊」出身者の存在が大きいと言われている。これが上位1%のエリート中のエリートを集めた諜報局情報収集部門の1部署だ。

この8200部隊出身者がサイバーセキュリティをはじめ、データ解析やAIなどの領域で、1000社以上の企業を生みだしているわけだ。そして、その技術力から2017年のインテルによる高度自動車運転技術のモービルアイの1.6兆円(150億ドル)の買収をはじめ、フェイスブックマイクロソフトなどの大手企業に買収されるケースも少なくない。日本のIT企業も注目しており、楽天が2014年に買収した通話アプリのバイバーや、ソフトバンクが出資する情報セキュリティ会社のサイバーリーズンなどがある。2017年のイスラエル企業の買収額は2兆円を超えた

イスラエルは、サイバーセキュリティ、自動運転、AIの3つの領域が世界的にも非常に強いと評価されているが、近年、AR/VRやAI技術の展開先ということもあり、ビューティーやファッション・テックも熱を帯びてきている。この領域だけで150以上のスタートアップがひしめき、米国をはじめとする海外への進出も著しい。2014年にロレアルがヘアケア領域の研究開発強化のために約200億円で買収したColoRightもイスラエルの会社だ。

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