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スパやヘアメイクなど提供者が出向く「移動型サービス」人気にみる、これからの可能性

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ソーシャルディスタンスの維持が当たり前になり、外出には慎重になることが予想されるポストコロナの消費者。その心情に応えるサービス形態として注目が高まるのが、自宅や居住エリアまで美容や医療・ヘルスケア関連の店舗やサービスが出向いてくれる「移動型サービス」だ。北米や英国で人気となっている事例を紹介する。

COVID-19の影響で、バーチャル問診をはじめ、家の中で完結するオンラインサービスの利用が急速に広まっている。ポストコロナ社会では、「大勢の集まるところへわざわざ行きたくない」が、「安全に配慮したうえでリアルな人からパーソナルなサービスを受けたい」という、ある意味相反する要望を叶えてくれるサービスを求める声が高まるだろう。今回は、顧客の近くまで出向く「移動型サービス」に注目し、北米や英国を中心に普及が始まっているビューティ&ヘルスケアの事例をみていきたい。

贅沢な非日常空間が近くに来てくれる美容系サービス

カナダの「Thyme Out Beauty Bus」は、高級キャンピングトレーラーとして知られるエアストリームを優雅なスパ空間に仕立てて各所で提供する移動型エステサロンだ。顧客が指定する場所に行き、ネイル、フェイシャル、レーザー脱毛、ワックス、マッサージ、メイクに加え、マイクロブレーディングやアートメイクなどのメニューを提供する。カナダ西部アルバータ州カルガリーと、同州第2の都市エドモントンを中心に4月から11月まで営業している。

Beauty Busは、スパ以外でも女子会や誕生会、ウェディングといった特別な機会での利用も視野に入れているほか、ランチタイムにオフィス街に登場し、予約不要のネイルサロンサービスも展開している。フェイシャルやマッサージには、オーナーが開発したオリジナルブランドのケアプロダクツを採用しており、車内で購入も可能だ。価格は、30分のマニキュアで43カナダドル(約3,250円)、フェイシャルが58〜250カナダドル(約4,380〜18,900円)、ワックスが18カナダドル(約1,360円〜)と、実店舗のサービスに比較して多少割高だが、その利便性や特別感にお金を払う価値があると考える顧客が少なくないようだ。

2019年に英国のケンブリッジにオープンした「Douce」は、同じくエアストリームを使った移動型のヘアサロンだ。Douceは、自らを「ライフスタイルブランド」と位置づけており、移動型サロンにすることで顧客に便利なロケーションや時間帯を提供するとともに、スタイリストにとっても時間や場所の融通が利き、自由なワークスタイルが可能になるとして、美容師の新しい働き方を提案している。

平日は、ケンブリッジ市内4ヶ所を1日ごとに巡回し、場所によって正午から21時まで、10時から19時までといったスケジュールでサービスを提供する。週末や祝日は、依頼があれば屋外ウェディングやファッションカタログ撮影、フェスティバルなどのイベントにも出向く。価格は、ケンブリッジ市内がメンズカット34ポンド(約4,515円)、レディース46ポンド(約6,109円)、ロンドンエリアではメンズカット40ポンド(約5,312円)、レディース55ポンド(約7,304円)の設定となっている。

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