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ロレアルの巨大ブースも出現。Viva Technologyで欧州テック覇者を目指す仏

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フランスで行われる欧州最大級のテクノロジーイベント、Viva Technology(ビバ・テクノロジー)。ロンドン、ベルリンに近づき、追い越して欧州のスタートアップ中心地に目論むマクロン大統領に、ロレアルをはじめ大企業が一体となって取り組んでいる。

2018年で第3回目となったViva Technologyは、5月24日から26日まで3日間で10万人の来場者、世界各地から9千人のスタートアップ、1900の投資家、1900名のジャーナリストが集まった。オープニングはマクロン大統領のスピーチで始まり、FacebookのCEOマーク・ザッカーバーグ、MicrosoftのCEO サティア・ナデラ、IBMのCEOジニ・ロメティをはじめ、世界トップレベルの企業家がスピーカーとして登壇したことでも話題になった。

Image: 上下ともに@SIPA Press VivaTech 2018より

オープニングスピーチにて、マクロン大統領は「フランスを世界中のスタートアップが集まる場所、またヨーロッパの入口にしていきたい」と熱く語った。2018年はアフリカが招待国で、アフリカ諸国の若きスタートアップが数多く招待されていただけに、その言葉はより印象的なものとして、参加者に届いていたようだ。

ヨーロッパのスタートアップ支援のハブというと、ロンドン、ベルリンなどが魅力的なエコシステムを備え、国内外の才能を集めていることで知られる。各国スタートアップの資金調達額においても2017年は英国がダントツの1位、次にドイツが続き、フランスは3位だ。(四半期ごとの2017年の金額は下記資料を参照)資金調達金額から見ればまだまだ欧州のリーダーには遠いが、フランスが欧州で中心的な役割を果たすと大統領みずからが宣言したのは注目に値する。2014年の第2次マニュエル・ヴァルス内閣にて、経済・産業・デジタル大臣をつとめ、幅広い知見を持つ人物がトップにたつことの意義を業界全体が感じていることだろう。

出典:CBInsights Tech Funding Trends in France より

Viva Technologyは、基本的にはスタートアップのためのイベントだが、出展リストを見ると大企業ばかりが目につく。これは、事前に大企業が自社の課題をオープンにし、それを解決するテクノロジーを持つスタートアップが各企業のブースで紹介されるという仕組みをもっているからにほかならない。

出展企業はIT企業に限らず、ロレアル、LVMH、大手通信企業Orange、製薬会社サノフィ、航空事業エアバス、Alibaba、Softbank Roboticsなど、さまざまな分野にわたっている。特筆すべきは、国営で古い体質が残るLa Poste(フランス郵政公社)、SNCF(フランス国鉄)など、最新テクノロジーとは距離が遠く感じられる企業もIT企業と肩を並べ、スタートアップとの連携でビジネス・サービス向上を目指していることだ。

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