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ロレアルが「Station F」パートナーとして、スタートアップから学び続ける姿勢

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化粧品メーカーとして、初めてStation Fのパートナーとなったロレアル。この広大なスタートアップのインキュベーション施設のなかで、どのような目的を持ち、どんな起業家たちを支援しているのか。その姿勢をひもとくとともに、ロレアルに選ばれたスタートアップのうち「Beautigloo(ビューティグルー)」「Kadalys(カダリス)」の2社の若き起業家に、彼らのめざすところ、そしてロレアルと仕事をするメリットなどを聞いた。

ロレアルは化粧品業界の最大手として世界140カ国へ37ブランドを展開し、設立してから100年もの間プロダクトイノべーションを重ね、世界をリードしてきた。現在R&Dスタッフは3800人を超え、市場ニーズだけでなく、地域性を考慮した製品開発を進めている。近年はさらにデジタル戦略が強化され、オンラインの売り上げが急増し2017年には総売上の8%を占めるまで成長した。今後、オンラインへの比重を高めるべく、さらにテクノロジーへの投資は必須だ。

彼らのオープン・イノベーション戦略を見ると、2012年にはサンフランシスコにインキュベーション・ユニットを設立、続いてロンドンのデジタルアクセラレーター&インキュベーターFounders Factory、テック系にフォーカスしたベンチャーキャピタルPartech Venturesとパートナーシップを組むなど、デジタル領域への投資を強化している。

具体的なブランドのイノベーション例をあげると、ランコムは専用デバイスを用いて肌を分析し、カスタムメイドのファンデーションを作るサービスTeint Particulierを開始。スキントーン、肌のタイプに合ったファンデーションを売り場で作ることができる。すでにフランス、米国でスタートしており、日本での発売が期待される。

ランコムのHPより

また、敏感肌用のスキンケアブランド、ラ ロッシュ ポゼは、紫外線レベルを計測する薄さ2mmの爪、靴などに貼れるパッチUV Senseを開発。世界初バッテリーフリーのUVセンサーを導入し、専用アプリと連携させることでリアルタイムで紫外線の量を確認できる。紫外線の計測は皮膚ガン予防にもつながるため、このテクノロジーの注目度は高い。日焼け止め商品を1935年から開発し続けるロレアルならではの革新的な製品だ。2018年のCESでも紹介され、2019年からグローバル展開が予定されているという。

出典:ロレアル公式サイト

このように、すでに顧客満足度を高めるべくデジタルテクノロジーを駆使しているロレアルだが、同社プレスによると、「デジタルテクノロジーは Opportunity (好機)」だという。化粧品業界のリーダーカンパニーとして、業界を牽引していくためには、常により良い美容体験を提案していかなければならない。また、パーソナライゼーションが進んでいる現在、AR技術などを利用したアプリで適切な製品を案内するなどはすでに必要不可欠なものとなっている。「デジタルはあれば有利なものではなく、企業のあり方を変える力を持っている」とCDO(チーフ・デジタル・オフィサー)のルボミラ・ロシェ(Lubomira Rochet)氏は2017年にCosmetics Businesseに語っている。

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