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ロレアルやLVMH、アフリカの化粧品原料とマルチカルチャー美容市場の可能性を語る

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若年層の人口増加や経済成長が著しいアフリカ大陸は、巨大市場として期待されると同時に、化粧品産業にとっては香料や製品原料となる希少な植物の供給源としても注目を集める。パリで開催された、ロレアルやLVMHが登壇したアフリカの産業エコシステムを考える美容企業イベントで語られたことを通じて、アフリカの持つ大きな可能性を探る。

仏パリで開催のアフリカ系美容イベント「The Colors」

美容業界でもダイバーシティ、インクルージョンが重要視され、欧米ではマルチカルチャー(多文化主義・異なる民族や文化を等しく尊重する思想)な消費者に合わせた製品・サービス展開が進んでいる。業界トップのロレアル、LVMHグループなどでは、アフリカ系ブランドの買収や、多様性のあるモデルやセレブリティを起用した広告など、戦略的な取り組みが加速している。

現在人口13億人と推計されるアフリカ大陸は、中間層や富裕層の増加、また若年層の比率が高いことから、巨大な成長市場として注目されるとともに、ジャスミン、バニラ、イランイランなどフレグランスやスキンケア製品などの原料となる花や植物の宝庫でもあり、新たなビジネスの可能性に満ちている。

日本の美容企業は2019年の時点で、資生堂、花王、ロート製薬、ホーユー、高砂香料工業、カネカなど複数企業がアフリカに進出しており、グローバルブランドの市場投入だけでなく、現地ニーズを把握しながら製品開発するなど積極的な事業展開もみられる。

仏パリでは2022年1月28日に、アフリカテック産業のエコシステムを支援する Afrobytes がアフリカ系美容企業セミナーイベント「The Colors」を開催し、ロレアル、LVMHグループ、スタートアップ、香料・原料会社などから24名が登壇して、アフリカ市場や化粧品原料の将来性などを語った。その様子をレポートする。

ローカルの肌や髪質に合わせた処方開発とマッチング

世界各地の肌や髪質の研究に取り組むロレアルは、1960年代と早期に南アフリカ共和国に進出し、80年代後半からアフリカ系の髪質研究を進めている。2003年には米国でアフリカ系を含むエスニックな皮膚と髪の研究所を開設。2016年には南アフリカ共和国にアフリカ系のメラニンの多い肌やクセの強い髪を研究するためのリサーチ&イノベーションセンターを設立して、現地の美容ルーティンやニーズに合わせた安全性の高い製品開発を推進している。

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