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AIによる接客は、ミレニアル世代の心をつかめるのか

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近年、美容業界のみならず小売業がAI(人工知能)による接客をアプリや店頭で取り入れる動きが、米国を中心に日本でも広がりつつある。大きな理由は3つ。コスト削減、マッチングの精度アップ、そして対面コミュニケーションを避ける傾向があるミレニアル世代への配慮だ。AIは顧客とのタッチポイントをどう変えているのだろうか。海外の事例を交えながら、現状を見ていく。

似合う口紅をレコメンドするチャットボット

エスティー ローダーが2017年7月にローンチしたのが、Facebookのメッセンジャーアプリを活用した“口紅チャットボット”だ。「Estée Lauder Lip Artist」という専用のFacebookページからメッセージボタンを押すと、チャットボットがその人に合った口紅を自動返信でレコメンドする。

ユーザーはまず、「Quiz Me」「Shade Match Me!」「Surprise Me!」の3つの項目から、自分の好きなものを選ぶ。Quiz Meの場合は、「Crème」「Matte」など5つの選択肢から好みのテイストを選び、その後、用途(仕事用、デート用など)や好みの色をクイズに答えていくように指定すると、いくつかの口紅がレコメンドされる。

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その後、「Shop Now」を押しすぐに買うことも、「Try It On」を選択し自分に似合うか試すこともできる。試すには、自分のセルフィー(自撮り写真)を添付し送信するだけでよい。すると、まるで本当に口紅を塗ったかのように加工された写真(下記)が瞬時に返ってくるので、ユーザーはそれを元に購入の判断をする。

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一度写真を送ってしまえば他にレコメンドされた口紅でも同様に加工してくれるので、次から次へと他の商品を試すことができる。「Shade Match Me!」は、合わせたい色のものがあればその写真を送り(ドレスやシャツなどが推奨されている)、「Surprise Me!」(下の写真)は、違うタイプの口紅をレコメンドしてくれるというオプションだ。同サービスは、エスティー ローダーのオムニチャネル施策の一環として、今後日本でも展開を検討しているという。

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チャットボットを利用した類似サービスはコスメショップのセフォラ(本社フランス、LVMH傘下で化粧品や香水を扱う専門店)や、ロレアル(本社フランス)でも展開されており、それぞれ数ある取扱コスメの中から商品をレコメンドしたり、ギフトニーズに応えたりといった内容になっている。エスティー ローダーをはじめ、これら3社に技術を提供しているのは、カナダに拠点を構えるModifaceだ。

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