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ロート製薬社員で公式YouTuber、「根羽清ココロ」がになう新・企業ブランディング

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2018年06月10日(ロートの日)、ロート製薬株式会社(以下「ロート製薬」)から公式YouTuberとなる「根羽清(ネバセイ)ココロ」が誕生した。「企業認知拡大」を目的にスタートしたというが、ナショナルブランドの取り組みとしては先進的で、各方面から注目を集めている。公式YouTuberがデビューした経緯や目的、YouTubeを飛び出して ”リアルの世界へ” という今後の展望を、ロート製薬に聞いた。

2018年06月10日(ロートの日)、ロート製薬は同社初、そして大手企業としても珍しい、公式YouTuber「根羽清ココロ」をデビューさせた。ネバセイの名前の由来は明らかにはされていないが、同社のコーポレートスローガンにある「Never Say Never」を彷彿とさせる。

出典:Cocoro Ch by ロート製薬 公式チャンネル

なぜバーチャルYouTuberなのか。ロート製薬は、9万部を発行する情報誌『太陽笑顔fufufu』で美容や健康に関する情報を提供するほか、ココロートパークという会員特典もあるオウンドメディアなど、さまざまなチャネルで発信だけでなく消費者とのコミュニケーションを積極的に行なっている。また初音ミクのAR LIVEを展開するなど、かねてから新しいコンテンツには意欲的であった。そんな企業文化がある社内をもってしても、根羽清ココロのデビューにあたり東京支社での発表の際にはどよめきがおこったという。それほど大手企業が公式YouTuberを立てることは、国内ではまだ珍しい事例だということだ。

ロート製薬は医薬品、化粧品だけでなく、食や再生医療など幅広い事業を行っており、根羽清ココロのYouTubeチャンネルでも、さまざまな自社製品を紹介している。視聴者からはTwitterやYouTubeを中心に、「根羽清ココロを見てからロートを意識するようになった」「自分が使っている目薬を見てみたらロートだった」などの声が寄せられている。とはいえロート製薬が根羽清ココロをデビューさせた目的は、各商品の認知度や売上アップというよりも、「今までロート製薬を深く知らなかった方にもアプローチをしたい」といった企業ブランディングの趣が強い。

そのため配信コンテンツは、ロート製薬の製品紹介に留まらない(むしろロート製薬の商品紹介がメインであることは少ない)。それよりも「疲れた目をリラックスさせる目の体操」「紫外線対策」といった、季節やその時々に応じた健康情報を届けるコンテンツの方が目立つ。消費者と心理的な接点を持つことも狙って、ロート製薬の本社がある大阪弁を使ったコンテンツや、根羽清ココロの弟「根羽清オト」と根羽清ココロが、会話やゲームを楽しんでいるようなコンテンツも用意している。

この根羽清ココロのYouTubeチャンネルだが、現在は月4〜5本(週に1本程度)のコンテンツをアップ。チャンネルは2018年8月末時点で、約1.7万人が登録する。同年6月にデビューしてから2ヶ月半ほどだということを考えるとかなりの人数が登録しているといえる。最初に配信した自己紹介動画の再生数は約10万回と、ロート製薬としても「想定の倍以上」の閲覧数だったそうだ。特別なプロモーションをかけたわけではないが、公式YouTuberそのもの、またロート製薬という意外性に視聴者が反応したことがうかがえる。

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