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ポーラ APEX劇的リニューアルは20年追い続けたスピードと質、そして共創から誕生

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大幅リニューアルを敢行したポーラのパーソナライズコスメブランドAPEX(アペックス)がこの7月から店頭に登場する。前回の記事では、一人ひとりに最適化した処方を割り出す業界初のAIを活用した肌分析技術と、診断結果に顧客の好みを反映させるパーソナルな提案の過程を一足先に体験レポートした。後編となる今回は、新しいアペックス誕生までの舞台裏とファンを巻き込むマーケティングについて検証する。

AIツールで肌分析を店頭で即時に

新生アペックスの最大の改革点は「即時性」にある。つまり、ポーラが蓄積してきた膨大な肌データと独自の動画や静止画像解析技術を掛け合わせた肌分析を店頭で受けると、その場で診断結果が得られて、862万通りの処方パターンから、各自に最適な製品をカスタマイズするところまで一気にできるようにしたところだ。

だが、そこに至る道のりは決して簡単なものではなかった。肌分析の質とスピードの向上を20年間追求してきたAPEXブランドマネジメントチーム ブランドマネージャーの菅千帆子氏は開発を振り返る。

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株式会社 ポーラ 
APEXブランドマネジメントチーム
ブランドマネージャーの菅千帆子氏(左)
商品企画部 APEXチーム 大場愛氏(右)

アペックスは誕生以来30年間、顧客の肌の細胞を採取して、それを静岡にある肌分析センターで染色して顕微鏡で確認する「角層解析」をもとに、一人ひとりに最適な商品を提案してきた。パーソナライゼーションの先駆けともいえるこの手法により、ユーザーの支持を得てきたが、一方で診断結果レポートと商品が到着するまでに約1〜2週間を要するため、消費者からは改善を求める声も強かった。そこで、肌のビッグデータと顧客プロファイルをベースに独自の肌解析技術を取り入れることで、即時に分析結果を提示できるシステムの構築に着手したのだ。

高額な分析機器を全国4,000以上ある店舗に導入するハードルの高さや、分析に必要となる肌画像の送受信に、当時の通信回線では膨大な時間を要したことなど、サービス化を目指す道のりは険しく、技術の完成を目前にしながらも、あと一歩で実現にまで至らない日々が続いた。だが、APEXチームは、解析技術のさらなる性能向上とともに、販売現場の誰もが扱いやすい仕様の実現に粘り強く取り組み、ついにこの7月、新生アペックスのデビューが決定したのである。

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新生アペックス 画像提供:株式会社 ポーラ

前回の記事でも触れたが、新生アペックスのコンセプトの2つの柱は、客観的で科学的なデータ分析を提供する「センシング」と、データに基づいた適切なケアを提案する「コーチング」である。しかし、これは単純に、テクノロジーによるセンシングと、人間のカウンセラーによるコーチングの2項に分かれるものではない。肌分析においては、実際に機器を取り扱うビューティーディレクターの経験値や観察眼が、顧客プロファイルの作成に重要な意味を持つのであり、未来をも見据えたカウンセリングを支えるのは、AI活用による精度の高い予測と分析だ。

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