大麻コスメ

マリファナは人を美しくする!? ビジネスチャンスに沸く米国の「大麻コスメ」の世界

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リップバームからボディローション、シャンプーやトリートメントまで。今、大麻草の主成分を用いた美容製品が次々と生まれている。米国で大麻合法化の流れが加速化し、スタートアップや投資家たちが、美容における大麻の可能性に注目しているのだ。

大麻ビジネスへの期待

2018年1月、カリフォルニア州において嗜好目的の大麻売買・所持が解禁された。米国内6州目となる同州での娯楽使用の大麻販売解禁で、合法化の流れがより進むという見方もあるが、その流れを後押しするのは、大麻がもたらしうる経済効果に対する期待の高さにほかならない。

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たとえば大麻が合法化された都市には、それを楽しむべく多くの観光客が訪れるだろう。ユーザーが増えれば自ずとクオリティや差別化も求められ、ブランド化が進み商品力の競争が起きる。関連スタートアップが誕生し、レクリエーションのための吸引以外の、たとえば医療用や健康食品サプリといった多様な用途を開発し、あるいは流通手段に変革を起こそうとしている。

「大麻ビジネス」のもつ新たな産業としての可能性には投資家たちも注目しているが、それは、美容業界においても例外ではない。

大麻×美容スタートアップが次々登場

大麻に含まれる天然のカンナビノイドの1つであるカンナビジオール(CBD)は、人間の体内にあるカンナビノイド受容体に働きかけ、抗酸化や抗炎症効果を持つとされている。米国の美容医療の現場では、CBDにはニキビをはじめさまざまな皮膚疾患への効能があるともといわれており、このCBDを用いた外用美容製品を製造するスタートアップが多く登場しているのだ。

カリフォルニア発のVertlyは2017年夏に誕生したスタートアップで、ファッション誌のディレクターが創業。CBDを配合したボディローションや数種類のリップバームを販売している。ニューヨークのHerb Essentialsは同様に、大麻由来のモイスチャライザーやボディローション、リップバームを。オハイオのCannukaは、CBDとマヌカハニーを配合したボディクリームを製品化、シャンプーやコンディショナーをはじめ、マッサージクリームやアイセラムなど幅広いCBD製品を提供するCBD for Lifeは、ニュージャージーを拠点にするスタートアップだ。

ただし、いずれの製品についても、嗜好品としての大麻使用が禁止されている州での流通は法的にグレイなままである。

CBDコスメの日本発信の可能性は?

世界では、医療用途としての大麻の認知は広まっている。

大麻に含まれる2つの主成分のなかでも、CBDは、吸った人を酩酊、いわゆる“ハイ”の状態にするテトラヒドロカンナビノール(THC)とは異なり、精神活性作用は低いとされている。CBDは主に、人体の免疫系に存在し炎症や痛みに関与する、重要な調節系のカンナビノイド受容体2(CB2受容体)に作用。このため、CBDをオイルとして摂取することで、てんかんなどの発作が軽減され、不安やうつ症状も緩和すると考えられている。

さらに、CBDオイルに含まれるのはCBDだけではなく、大麻由来の必須ビタミンやミネラルなど数多くの植物成分や、香りのある精油成分のテルペンが含まれており、これらの効能も期待できる。

ただし、臨床試験などはまだ例が少なく、薬用効果が医薬品レベルで認められるまでにはさらに研究が必要だ。

日本でも、大麻取締法で規制対象とすべき大麻は、大麻草およびその製品だが、成熟した茎およびその製品や、種子およびその製品は除くとされ、海外産の産業大麻の茎や種子から抽出したCBDを使用した製品は法規上は適法であり、製品によっては販売業者による輸入も許可されていて、使用自体に違法性はない。

しかし、、日本の大麻取締法では基本的に大麻から製造された医薬品の施用を禁じており、対象製品からTHCが検出された場合は法にふれるおそれがある。というわけで、現在のところは大麻についての研究そのものが進む可能性はほぼないといえる状況にある。美容を目的とした製品についても、日本発の開発は困難だろう。

米国では大麻をメインに取り上げる女性向けライフスタイルマガジンMiss Grassも発行されている。

2018年3月にニューヨークで開催された美容・スパにまつわるカンファレンスにおいて、ブラッククミンシードオイルなど各種のオーガニック素材を原料とした製品がとくにフォーカスされていた。 世界の美容業界が指向する自然由来製品への回帰という大きな潮流のなかで、100%天然原料である大麻由来の美容製品に注目が集まるのはきわめて当然なのかもしれない。日本での大麻コスメの製造開発は厳しいが、今後の輸入や使用の拡大の可能性を念頭に、海外での動向を押さえておく必要がありそうだ。

Text: 年吉聡太(Sota Toshiyoshi)
Top Image:  Shane Rounce via Unsplush



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