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THE COLORISTが先行、成長めざましい新興の中国化粧品小売店はKOCを主軸に

◆ English version: New Chinese cosmetics retail chain The Colorist sees red hot growth
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中国の化粧品市場では全販売チャネルに占めるECの割合が年々上昇しているが、一方、実店舗でも同様に成長を続けているチャネルがある。それは化粧品小売チェーンだ。なかでも最も勢いのある「THE COLORIST(調色師)」を中心に、新興小売チェーン4社を紹介していく。程度の差こそあれ、各社ともKOL(Key Opinion Leader)よりもKOC(Key Opinion Consumer)重視のマーケティング手法をとっている。

中国の国元証券が公表した「家庭・個人用品業界研究レポート」によると2018年、中国化粧品市場で全販売チャネルに占めるECの割合は27%で、初めて首位に躍り出た。それまでトップだった総合スーパーは年々シェアを減らし25%まで低下。そんななか、実店舗でも右肩上がりで伸びているのが化粧品小売チェーンだ。

ワトソンズやセフォラなど既存の大型チェーンを追うかたちで、新興の化粧品小売チェーンが次々と登場。なかでも、急速に店舗数を増やし消費者の支持を集めているのが「THE COLORIST(ザ・カラリスト 中国名は調色師)」だ。

データドリブンな経営で知られるKK集団(広東快客電子商務)が運営するTHE COLORISTは2019年10月に開業、まず広東省の広州市と深圳市に同時に2店舗をオープンした。現地の報道によると、オープン直後は連日1万4,000人以上の客が詰めかけ、入場制限が行われたほどだった。

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それからわずか3か月のあいだに全国に50店舗以上をオープン。北京市の1号店はオープン初日に20万元(約300万円)、湖南省長沙市の1号店はオープンからの12日間で220万元(約3,300万円)を売り上げるなど、その人気は中国全土に及んでいる。2020年4月現在、20都市に60以上の直営店があり、5月には上海市などでさらに約30店舗の開業を予定する。

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2015年に設立されたKK集団はアプリと実店舗を連動させる「ニューリテール」を標榜し、まず輸入品を扱う「KK館」を立ち上げた。ここでは、化粧品からベビー用品、日用品、サプリ、健康食品などを取り扱っている。資金調達を繰り返すことで店舗を増やし、2018年にはフランチャイズを開始。全国50以上の都市で数百店舗を持つ。2019年5月には、旗艦ブランドとして大型店舗の「KKV」を立ち上げ、そして同年10月に化粧品に特化したTHE COLORISTを立ち上げたというわけだ。

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