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東色ピグメント、中国新興ブランドYUMEEのOEMで実感した “日本製” のこれから

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中国で成長するメイクアップブランドの勢いで、数年前とは市場が一変している。2021年2月に誕生した中国の新興セレブリティブランド「YUMEE」を手がけた日本のOEM企業 東色ピグメント株式会社の上海拠点 上海東色日化有限公司 董事 総経理 永山一雄氏に、変わりゆく中国市場、日本製への意識や日本OEMに求めるニーズの変化について聞いた。

中国セレブリティが手掛けるラグジュアリーブランド「YUMEE」

これまで中国の美容市場では海外製品への支持が厚かった。しかしメイクアップ製品に限ってみれば、その構図は変わりつつある。1995年以降に生まれた中国のZ世代「95后」を中心に国産コスメの需要が拡大しており、とくにメイクアップ製品では中国ブランドの販売が伸びている。2020年11月の独身の日(W11)セールでは、Tmall(天猫)において「Little Ondine」「COLORKEY」といった複数の有力中国ブランドが1億元(約15億円)を超える売上を記録した

こうした中国ブランド人気の要因は、テイストや色味、キャラクターなどIP(intellectual property:知的財産)とのコラボレーションなどにおいて、中国の消費者が求めるものを深く理解し、素早く提供できる点があげられる。同時に、質の面ではいまだ海外製品への期待が高い傾向にはある。その意味で中国ブランドの中には、日本をはじめ海外で生産するケースも少なくない。

成功したビジネスウーマンであるとともに慈善家としての活動でも知られる中国のセレブリティ、余晚晚(Wendy Yu)氏が2021年2月に立ち上げたコスメブランド「YUMEE(瑜幂)」もそのひとつだ。これまで比較的手ごろな価格の中国ブランドが多かったなかで、いち早く「中国のラグジュアリーブランド」の確立を狙って企画され、日本のOEM企業の東色ピグメントの上海拠点である上海東色日化有限公司が製造を担った。中国コスメのなかでは比較的高価格帯に属し、高級感のあるパッケージや打ち出し方をしている。

YUMEEを立ち上げた余氏はYu Holdingsの創業者兼最高経営責任者(CEO)で、子会社を通じてファッションやイノベーション、慈善事業などに関連する分野に投資を行ってきた。2018年にはファッションとアート業界のリーダーとして「Forbes 30 under 30」にも選ばれた人物だ。

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余晚晚氏
出典:COSMETICS BUSINESS

その余氏によるYUMEEのコンセプトは「グローバルで前衛的なファッションと、一流のオリエンタルビューティブランドを創造する」というもので、いわば東洋と西洋の美学を掛け合わせたコスメブランドだ。中国の伝統文化のニュアンスを取り入れた独創的なパッケージで、8色アイシャドウやリップスティック、ハイライトを揃える。価格は328〜488元(約4,920〜7,320円)と、欧米のハイブランドに引けを取らない。

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