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ONLY WRITEなどOMO型・無人店舗好調、新興の中国化粧品リテールの新潮流

◆ English version: The New Wave of Chinese Cosmetics Retailing: OMO Success and Unstaffed Stores
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成長を続ける中国の化粧品市場では近年、多くの新興ブランドが誕生しているが、足並みを揃えるように、続々と新たなプレイヤーが登場しているのが化粧品のリテール業界だ。2020年のパンデミック中でも多くの小売店が新規参入した。多店舗展開にまでいたらないケースも少なくないが、激戦のなかで順調に店舗数を増やし、話題になっている化粧品店チェーン3ブランドを紹介する。

OMOの体験型リテール「ONLY WRITE」

杭州独写品牌管理が運営する「ONLY WRITE(独写)」は、中国での新型コロナウイルスの感染拡大が深刻だった2020年3月28日に開業した。本社のある杭州市を皮切りに、寧波市や南京市などに14店舗を展開している。現地メディアによると、南京店はオープンから10日間で300万元(約5,100万円)以上の売上を記録したという。

創業者の周建雷CEOは、輸入化粧品を扱う小売店「Xcheng(橙小橙)」の創業者でもある。ただし、同店を運営する杭州橙小橙企業管理諮詢の登記情報では、2020年6月に法廷代表人が変更されており、現在は同店の経営そのものには関わっていないとみられるが、顧客体験は周氏の周到な設計だ。

ONLY WRITEの大きな特徴は、OMO型の顧客体験を重視している点だ。販売する商品のほとんどは倉庫に置いてあり、店内に展示されている商品は、顧客のトライアルを目的としている。福袋のようになかに何が入っているかわからない「盲盒(ブラインドボックス)」のような仕掛けもあり、多くのユーザーからSNSに投稿されるほど人気だ。

顧客は買いたい商品があればスマホでQRコードを読み取り、その場で決済できる完全キャッシュレスを実現し、それによって、顧客情報を100%データ管理する。カウンターはお金を払う場所ではなく、決済後の商品を受け取る場所になっている。

こうした仕組みであるため、ONLY WRITEには美容部員がいない。デジタルネイティブの若年層は、美容部員による対面接客を好まない傾向があるのに加え、中国では、場合によっては、KOLのほうが美容部員よりも商品知識やおすすめの使用法など美容に詳しいケースもあるからだ。

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ONLY WRITEの店舗
出典:ONLY WRITE Weibo公式アカウント

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