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エスティ ローダーなどNY「テック先進組」が議論する次世代型パーソナライゼーション

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画期的テクノロジーで顧客の関心をひく時代は終わった。2019年6月にニューヨークで開催された「The Global Beauty Tech Forum」で示された強いメッセージだ。これからは、顧客との「人間的ふれあい」を重視し、個々の悩みやニーズに応えるテクノロジーという新たな可能性に挑戦すべきだと、主催者のパーフェクト・コープをはじめ、エスティ ローダーやベネフィット・コスメティクス、そして、ウルタ・ビューティ、ニュートロジーナなど各ブランドがそれぞれの立場からの活発な意見交換を行った。その模様を2回に分けてレポートする。1回目はテクノロジーによりパーソナライズを深化させる各ブランドの試みについて。

2019年6月18日、ニューヨークでThe Global Beauty Tech Forumが開催された。主催したパーフェクト・コープの発表によると、ブランド、リテール、メディア関係者など当日の参加者は約400人。スピーチや4つのパネルディスカッション、デモンストレーションなどが行われた。

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会場には約400人が詰めかけた

好みやニーズまで理解したパーソナライゼーションになる

「若い人たちにとって、商品を購入する前にそれを試すのはもはや当たり前。商品を試す人が増えれば、それだけ購入者も増える」。冒頭の基調講演のなかで、バーチャルメイクアプリ「YouCamメイク」を提供するパーフェクトの創業者兼CEOのアリス・チャン(Alice Chang)氏は、何度もこの言葉を繰り返した。

同社アプリ上で行われた「ARお試しメイク(トライアウト)」の件数は2018年だけで70億回に達し、2019年は105億回、さらに2021年には2018年から倍増の149億回に達すると予想する。アプリ利用者の76%はミレニアル世代とZ世代だ。

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基調講演を行ったパーフェクトのチャン氏

こうした消費者の変化を受けて、ブランドやリテールはどのように変わろうとしているのか。その解の一つが、大量のデータとAIを駆使したパーソナライゼーション・サービスの強化だ。たとえば、肌色に合ったファンデーションを提案するだけでは、顧客はもはや物足りないと感じるかもしれない。顧客がどんな悩みを抱え、何に対し嬉しいと感じ、自分をどのように表現しようとしているのか、個々の好みやニーズを理解したうえで、それに応える「選択肢」を提示する。これまでよりもさらに深化したパーソナライゼーションが求められている。

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パーフェクトは開発中の新技術として
「AI肌チェック」を披露した

パーフェクトのチャン氏は、カメラ技術とビジュアル・コンピューティング、AIとビッグデータ、そしてオムニチャネル対応の3分野の開発を同時に進めることで、「顧客の視点に立った」一歩先を行くパーソナライゼーションを目指す同社の方針を説明。開発中の中核技術として、8万9,969 種類もの色味から顧客の肌にもっともフィットするファンデーションを検出して提案する「AIスマート・シェード・ファインダー」、肌のシミ・シワ・キメ・クマに加え、水分量、皮脂量、赤味などを分析する「AI肌チェック」、そして、肌の色や状態、個々の好みやスタイルに応じてメイクを提案する「AIビューティ・アシスタント」などを実演した。

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