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KINSは悩みに応える「菌ケア」で美容とヘルスケアを融合し、医療領域にも挑戦へ

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年々注目が高まっている菌の世界で、美容とヘルスケアの融合領域に挑むスタートアップが株式会社KINSだ。「菌をケアすることが当たり前の世界」の実現を掲げる同社 代表取締役社長 下川穣氏に、未来の菌ケアプラットフォーム構想について聞いた。

美容と健康をつきつめると同じ「腸内環境」が大事

2018年12月に創業し、肌の菌の状態をチェックできるスキンテストとコンシェルジュ相談によるライフスタイルの提案がセットになったサプリメントのサブスクサービス「KINS BOX」からスタートしたKINSは、「菌ケア」という新しい視点で、美容とヘルスケアの融合領域にアプローチし、ウエルネスに関心を寄せる30代女性ユーザーの支持を集めている。おもにInstagramだけのプロモーションで、ローンチ1年半でサブスク会員数は1万人まで成長した。

「菌の変態」と周囲に呼ばれるほど菌の研究にのめりこんできた下川氏がKINSを始めたきっかけは、歯科医師を経て、あるクリニックの医療法人で理事長を務めていたときの経験だ。2015年頃から腸内菌叢の研究が学会などでも体系化されはじめ、そのクリニックでもいち早くアトピー性皮膚炎や潰瘍性大腸炎などの慢性疾患患者に対し、乳酸菌の処方や食生活や生活習慣の改善指導を行って、対症療法にとどまらず根本治療を目指していた。

腸内環境を整えることで、20年来の悩みだった患者の症状が改善されるなどのケースを目の当たりにした下川氏は、「腸内環境を整えることで、予防医療や根本治療になり、結果として美容にもつながるということを、クリニックの患者だけではなく、より多くの人に広めたい」と考え、会社設立を決意した。

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株式会社KINS 代表取締役社長 下川穣氏

下川氏がKINSでまず取り掛かったのは、皮膚常在菌を調べるスキンテストと、乳酸菌サプリメントの開発だ。

「腸内に棲む細菌は1,000種以上あるといわれており、それぞれの関連性はまだ研究し尽くされていない。一方、皮膚常在菌は腸内よりも解析対象とするべき細菌の種類が限られており、かつ腸内細菌の代謝産物として皮膚に影響が出てくることがわかっている。つまり、腸内環境が改善すれば、皮脂や皮脂腺から出る生産物質の量と質が変わり、それを餌にしていた菌が増減するという相関関係がある。健やかな肌を保つために、まずは腸内環境に目を向けてほしいという思いで、サプリメントの開発からスタートした」(下川氏)

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