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韓国「Prinker」1日で消えるタトゥープリンター、プラットフォームとしての可能性も

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ファッションとしてのタトゥーを気軽に楽しみたいという思いに応えるデジタルソリューションが、韓国サムスン電子発のスタートアップから登場した。肌に好みのデザインのタトゥーを“印刷”するモバイルスキンプリンター「Prinker」だ。LG生活健康でもタトゥープリンターが開発されており、2022年内に米国での先行販売を予定している。その機能や開発の背景について紹介する。

1日で消えるタトゥーを可能にする”モバイルスキンプリンター”

タトゥーは、特に若い世代でファッションとして楽しみたいというトレンドが広がっている。米国では1年前後で消えるインクを開発し施術するタトゥースタジオ「Ephemeral」が話題となっており、2週間ほどで消えるカナダ発のタトゥーシール「Inkbox」は各国で人気で日本でも販売されている。

韓国では、サムスン電子の社内ベンチャープログラムC-LABで組成されたスタートアップ企業 SketchOnにより、タトゥーを肌にプリントするデジタルデバイス「Prinker」が登場している。ソフトウェア、化粧品原料を使用した専用インク、デザインプラットフォームなどを総合したいわばデジタルタトゥーソリューションだ。韓国では "モバイルスキンプリンター" とも呼ばれている。

Prinker
出典:Prinkerの公式Facebookページ

従来のタトゥーは、針を使い表皮に色素を染み込ませて定着させることで絵や文字を刻むが、Prinkerにはインクジェットプリンティング技術が応用されている。Prinkerを使ってデジタルタトゥーを入れるのにかかる時間はわずか1秒だ。スマートフォンから専用プラットフォームにアクセスし、好きなデザインを選択したのち、Bluetoothに連動した専用ハード端末を肌になぞらせるだけでデジタルタトゥーが完成する。まったく痛みがないだけでなく、インクは化粧品として認可されている成分のため、皮膚にダメージを与えず、終日消えずにもち、石鹸やボディソープなどの洗浄料で簡単に洗い流すことができる。

SketchOnの共同創業者たちは、いずれもサムスン電子のエンジニア出身で、代表を務めるイ・ジョンイン氏は、サムスン電子社内のプリンター事業部で10年間にわたり、インクジェットプリンティング用のインクを開発してきた経歴を持つ。

韓国では、K-POPスターなどアーティストたちが思い思いのタトゥーを入れるのは珍しいことではなくなっているが、韓国社会も日本と同様にタトゥーに対しては否定的な見方が残っており、テレビ番組内では画面に映らないよう出演者のタトゥーをテーピングやモザイクで隠す場面が多い。イ代表らは、個性を表現することが当たり前になりつつある時代にあって、“ささやかな逸脱” を経験し、もっと気軽にタトゥーを楽しむ方法はないかと考えたことが、Prinker開発のきっかけとする。

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