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ロレアルも手がける電子皮膚に3Dプリンター皮膚。美容と医療が劇的に変わる日

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以前の記事で、「セカンドスキン」を肌にやさしく安全で、シワやたるみのない理想の肌をつくる第二の肌と定義して、人工皮膚の新素材を取り上げた。今回は、電子工学的なアプローチで、進化するe-skin(電子皮膚)を紹介する。さらには、3Dバイオプリンティング技術により本物に限りなく近い人工皮膚の作成にも成功したというニュースも入った。最新の研究成果は、近い将来、美容から医療までを劇的に変える要素に満ちている。そして、この分野でも化粧品会社としてリードしているのが、ロレアルだ。

生活のなかにスマートウォッチやフィットネストラッカーなどのウエアラブルデバイスはだいぶ浸透してきた。だが、すでにその先をいく研究と商品開発が進められている。肌と一体化する装着感のない薄さで、柔軟性、伸縮性があり、貼るだけで温度や湿度、圧力を感知したり、身体の動きを記録したりすることができるe-skin、すなわち電子皮膚と呼ばれるものだ。

肌と一体化するウエアラブルへ

e-skinの医療への応用をリードしてきた米ノースウエスタン大学のジョン・A・ロジャース教授が、2008年に自ら立ち上げたスタートアップmc10では、肌に直接貼るタイプのパッチ型センサー「BioStamp」をスポーツ科学や健康科学など学術研究の際に使用する研究者用キットとして販売している。BioStampに搭載されたセンサーには、ジャイロ・加速度計IC、電極が配置され、心電図、脳波、体温などの運動情報と表面筋電図が同時に計測でき、収集されたデータはクラウドサービス上に保管される。

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出典:mc10

同社は、2016年には一般消費者向けに、日焼けの危険度を教えてくれるシール状の紫外線測定シール「My UV Patch」を化粧品メーカーのロレアルと共同開発。紫外線量が増えると肌に貼り付けたハート型シールの色が変わるので、シールを撮影して専用アプリにアップロードすると、浴びた紫外線量と紫外線対策のアドバイスが表示される。

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出典:B&T

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出典:L'Oreal UV Sense: Tiny UV sensor that fits on a nail

フィルムタイプではないが、ロレアルは2018年1月に米ラスベガスで開催された「CES 2018」で、さらに小型化した爪に貼れる円形の小さなチップで紫外線量を計測する「UV Sense」を発表している。


「感覚」をもち、自己修復する電子皮膚

2018年2月、米コロラド大学ボルダー校のジャンリャン・シャオ教授らの研究チームが『Science Advances』誌に発表したe-skinは、触感の圧力や温度、湿度、空気の流れなどを感知できるだけでなく、切れたり破れたりした場合はエタノール系の物質を塗布するだけで、化学反応により自己修復するという機能を持つ。

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