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MEMEBOX、世界で最も革新的な美容企業9位にランクされるその実力とは

◆ English version: Why Memebox is a global beauty innovator
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UNPA」や、「Hwahae」と並び、韓国有数のビューティ・スタートアップとして評価されているサービスのひとつに「MEMEBOX」がある。米VCやメディア、海外大手メーカーから注目を集め、米ビジネス誌のFastCompanyの「2019年最も革新的な企業」ランキングの美容部門で韓国企業として唯一トップ10入りを果たした。企業としての生い立ちから米国進出の経緯、そして、昨今の動きを追う。

MEMEBOXは、約47万点のビューティ商品(健康食品などを含む)を扱うEC・レビューサイトとして広く認知されているが、その実態としては購買データをもとにパーソナライズされた情報・商品(顧客側)や、企業に向けたコンサルティングサービスを提供する「データドリブン・ビューティ企業」を標榜している。ここ数年では、サイト上での購買行動などのデータにもとづいてPB商品やコラボ商品を開発・販売。化粧品メーカーとしてのビジネスも好調だ。

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出典: MEMEBOX公式サイト

データと顧客を中心に据えたビジネスモデル

公式サイトによれば、「MEMEBOXのシンボル(訳注:ロゴ)は、ユーザー自身(ME)と生活(LIFE)、テクノロジー(Connect)を表し、ビューティ産業にDataとTechnologyを融合して革新的なサービスを提供。差別化された顧客体験を創造している企業がMEMEBOXである 」と自社を位置付けており、データドリブンな企業としての自負がうかがわれる。

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出典: セフォラHP

MEMEBOX は2018年8月に、LVMH傘下のセフォラとパートナーシップを締結。続く9月には、同社と共同開発したKビューティーブランド「Kaja」から、合計47種類の製品をリリースしている。後述するが、海外大手メーカーと提携することで、かねてから目指していた、米国などグローバル市場進出に拍車をかける狙いだ。すでに、400を超える米セフォラの店舗にて関連製品が販売されている。MEMEBOX代表を務めるハ・ヒョンソク氏は、韓国大手メディア・中央日報の取材で、セフォラとの提携の背景について次のように話している。

「創業から2年が過ぎた2014年初め、シリコンバレーの世界的なスタートアップ育成、および投資会社であるYコンビネータから130億ウォンの投資を受けた。韓国スタートアップとしては初めてのことだった。それから4年間で1,700億ウォンの投資を受け、海外進出に拍車をかけた。サンフランシスコにオフィスを出したところ、近くにセフォラの米国本社があった。積極的にプレゼンテーションを行った結果、セフォラの上級副社長から、製造まで自社でやってみてはとアドバイスをもらい、本格的にコラボレーションにのりだすことになった。開発を一からともにした。(セフォラが)Kビューティの可能性を信じてくれたからこそ可能だった。2週間に1回8時間のミーティングを持ったが、主な議題はKビューティのローカライズについてで、怒涛のようにアイディアを出しあった末、5ヶ月後に47の製品を生み出し販売することになった」(中央日報より引用

ハ氏によれば、既存のKビューティは韓国人向けに作られたもので、多様な人種を抱える米国市場に対しては不足な点が多かったという。そこで、米国市場に最適化されたKビューティ製品をつくることに集中したのだ。

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