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韓国ファヘ「メイクアップルック」はユーザーのメイク投稿から購入も可能な新機能

◆ English version: South Korean beauty app Hwahae makes it easier for users to find their perfect Makeup Look online with a new feature
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成分検索や、自分の肌に合うアイテムのマッチングなどもできる美容クチコミアプリとして、韓国で高い人気&認知度を誇るサービス「ファヘ」が、メイクアップに関してSNS要素を盛り込んだ新機能「メイクアップルック」をリリースした。機能の中身や特徴、韓国の人気クチコミアプリ群の差別化の方向性についても解説する。

ファヘは成分検索や購入もできる美容好きのためのクチコミアプリ

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出典: ファヘ公式サイト

ファヘは肌・年代別のランキングやクチコミ&レビュー、成分検索、商品購入が可能な総合クチコミアプリだ。最新の公式情報(2021年1月26日時点)によると、登録されたユーザーレビュー数は約577万8,799件、登録商品数は18万7,809点、登録ブランド数は1万1,914ブランド、累計ユーザー数は約900万人にのぼり、韓国の美容好きな人々のあいだで必須アプリの1つとなっている。

ファヘ(화해)というサービス名称は、「化粧品」(화장품)と「解釈する」(해석하다)の頭文字を組み合わせたもの。同アプリが人気を集めることに成功した理由は、その名の通り、成分解説の徹底と、ユーザーが生成する豊富なレビューにある。前者に関しては、韓国政府関連省庁や米環境団体が提供するガイドラインや豊富な資料を反映し、化粧品に含まれる成分の機能性のみならず、アレルギーを誘引するリスクなども細かく周知している。

ファヘがリリースされた2013年当時は、韓国国内市場では化粧品成分を気にするユーザーはそれほど多くなかったという。アプリを生み出した運営会社・バードビューのイ・ウン代表らは、もともと電化製品の値段や性能を細かくランキング&レビューするサービスを念頭に、ニッチな男性向けコスメレコメンドサービスをつくろうとしていたとの逸話も残っている。

だがその後、韓国では化粧品に限らず、食品、飲料、洗剤など家庭用化学製品にいたるまで、ライフスタイル領域全般において、安心・安全を脅かさない成分に対する関心が高まった。こうした社会的な変化にあわせて、情報量や機能が増えていくことでファヘのユーザーは増加。現在では、「コスメの成分解説&レビューといえば、ファヘ」という業界内の立ち位置を確立するにいたっている。

収益モデルとしては、広告やランキングの店頭シールとしての二次利用と、加えてEコマースがあげられる。ファへで扱っているアイテムのすべてではないが、基本的にアプリからそのまま購入できる仕組みになっている。

「メイクアップルック」で、ユーザーがメイク画像を投稿できるように

このように、コスメの成分や機能性にロジカルにフォーカスすることで影響力を拡大してきたファヘが、最近になって新たな機能「メイクアップルック」を追加した。

メイクアップルックは、ユーザーが実際にメイクをした画像を投稿し、使用したコスメ商品そのものと、メイクをする際のティップスなどを共有・閲覧できる、SNSに近い機能となっている。一覧で表示される投稿ユーザーの写真をタップすると、個別ページに遷移し詳細をチェックすることができる。個別ページでは、メイクに使用された商品一覧もアイコンで表示され、投稿ユーザーのスタイルが気にいれば、その人が使ったものと同じ商品をそのままアプリ内で購入することができる。日本でいえば、Instagramや、美容クチコミアプリのLIPSのユーザー投稿から、使用されているアイテムがダイレクトに買えるイメージだ。

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ファヘの新機能「メイクアップルック」
出典:ファヘ

メイクアップルックはユーザーが自由に投稿するInstagramなどのSNSと比較すると、コンテンツをアップするまでのプロセスに規則が存在する。現在はリリース直後であり、ポイントをユーザーに還元しながらコンテンツを募っている状況との理由も背景にありそうだが、ファヘのエディターチームによるチェックもある。ちなみに、コンテンツを掲載する際には、ユーザーは以下の項目についてのフォーマットに従う。

① ユーザー自身のメイクのテーマを完結に表現したキャッチコピー
② メイクアップに関するキーワード作成(ハッシュタグに該当)
③ 公開するメイクの部位の選択(ベース、まゆ毛/目、リップなど)
④ 公開する項目の部位のメイク画像
⑤ 該当する部位に対するメイクアップの順序とユーザー自身のティップス
⑥ 使用したコスメ商品単体/全体、発色に関する情報画像
⑦ メイク後の顔のフルショット(任意)

こうしたルールを設けることで、ユーザーにとってわかりやすいコンテンツが生成されていくわけだ。これまでは、化粧品を探す、確かめる、マッチングという機能が中心だったところに、「人」とのつながりを入れ、ユーザーみんなで見やすいコンテンツをつくるという意味で、かなり思い切った施策といえよう。

年齢や肌タイプ、悩みから、合う化粧品をレコメンドするサービスも

ファヘはメイクアップルックの実装以前、2019年4月に、「私の皮膚マッチ機能」(直訳)という新機能を追加している。2020年6月末の段階で、同機能の利用者数は100万を突破している。

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ファヘの機能「私の肌マッチ」
出典:ファヘ

「私の皮膚マッチ機能」は、レビュー閲覧時の年齢、皮膚タイプ、悩みなど、ユーザー個人の情報とマッチするレビューをキュレーション・提供するパーソナライズサービスだ。毎回ひとつひとつレビュー検索する煩わしさがなくなったとしてユーザーからは好評を得ており、同機能を通じて閲覧されたレビューは1,000万件を突破したと発表されている。利用層としては20代(49%)、10代(24%)が圧倒的に多い。

韓国市場では昨今、lululabなどAI肌診断を提供し商品購入を促すサービスを武器とするスタートアップ、もしくはDMILのような有力インフルエンサーや美容動画クリエイターを大量に抱えたMCN企業が徐々に存在感を増し始めている。ファヘなど美容系クチコミアプリにとって、それら企業群は、化粧品のレコメンドという意味で潜在的な競合となる。

ここ1~2年のファヘの動きを見ても「成分に特化したロジカルな化粧品データベース」というイメージに加えて、「SNS的要素」「ヒトを介した感性的なマッチング」や「パーソナライズ」を強化しながら新たな競合に対抗して、購入を促すビジネスをさらに拡張していく計画のようだ。メイクアップルックの掲載手順からもわかるように、豊富かつ正確なデータ&コンテンツは強みとして残しつつも、+αの要素を次々と盛り込んでいく戦略といえる。

一方で、これからの課題はファへ経由での購入をどう拡張していくかだろう。韓国は日本でいうアマゾンと楽天のように、クーパン、ネイバーという2つの巨大ECプラットフォームがあるほか、Gmarket、11番街、ロッテドットコムなどのモール、オリーブヤングなど化粧品専門店のECが多く存在し、ネイバーでは多様な決済、クーパンは翌日配送といったそれぞれ利便性があるからだ。ファヘで買う理由をしっかりとユーザーに訴求していく必要がありそうだ。

強固なポジショニングを模索する韓国人気クチコミアプリ

韓国国内において、ファヘ以外の人気美容クチコミアプリとしては、「グロウピック」や「オンニのポーチ」などがある。前者はクチコミやレビューで強みをみせてきたが、ここ数年ではイベントやアワードにとくに定評があり、ブランドからも支持されている。一方、「オンニのポーチ」はもともと好みをはっきりと書いたユーザーの率直なレビューが好評で、インフルエンサーやブロガーなど特定ユーザーの影響力が強いサービスとされてきたが、昨今ではビックデータをもとに開発したPBブランド「unpa.Cosmetics」の展開など、新興ブランドを生み出すプラットフォームとして動きを進めている。運営元のLYCLがアクセラレータプログラムを通じて、独バイヤスドルフのニベアと新商品開発にのりだしたというニュースも国内ではかなりの話題となった。

新興ブランドの状況と同様に、クチコミアプリを運営する各社にとっても、パンデミックもあり、韓国国内の美容ビジネス環境の変化は目まぐるしい。高い支持や認知度を獲得した人気サービス群であっても、新たな機能やビジネスモデルを構築し進化しつづけなくてはならない。各クチコミサイトのポジショニングがどのように変化していくか今後も注目される。

Text: 河 鐘基(Jonggi HA)
取材協力: 尹美晶(Mijoung Yoon)
Top image: Worawee Meepian via Shutterstock



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