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インドの「訪問美容」マッチングアプリのいま。女性の活躍、社会のアップグレードへ変革は進む

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インドでは美容サロンなどがない地域もあり、その代わりに、ビューティシャンが家に訪問してケアを行うスタイルが習慣的に行われてきた。これを受け、2015年ごろからマッチングアプリ、サービスが多数登場し、美容プラットフォームとして機能している。ビューティシャンの働き方を大きく変え、今後は新たなビジネス開拓の可能性も秘める、その現状をレポートする。

インドの家庭では、世代を超えて大家族で暮らすのが伝統的なスタイルだ。大都市には核家族が増えたとはいえ、近隣に親戚が住み、家族以外にも家事手伝いのヘルパー、ドライバー、庭師、調理人、子守りなど皆が協力しあうオープンな暮らしに慣れており、他人を家に入れるのに抵抗が少ない。そのため、いわゆる「訪問美容」が盛んだ。

美容師、ネイリスト、エステシャン、マッサージ師などのビューティシャン職は、女性が独立して仕事をする一つの手立てとして確立しており、組織に属さずフリーで活動していることも多い。このインドにおける「ホーム・ビューティケア」ビジネスが、テクノロジーによって新たな躍進を見せている。

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出展:YLG

2010年代前半から、ホーム・ビューティケアのスタートアップが、大都市で次々と創業された。その裏には、2014年にインドのECスタートアップFlipkart(2018年にウォルマートが買収)がインドで10億ドル(約1,119億円)の増資、その後アマゾンも20億ドル(約2,238億円)を投資するなど、オンラインビジネスがECの成長とともに人々の生活に入り込んだこともある。格安スマホが登場し、2016年9月には大手財閥リライアンス傘下のJIOが格安の4Gデータ通信を一般向けに開始したことで、モバイル機器からのインターネット通信が爆発的に普及した。

その後、モディ政権による高額紙幣の廃止や、インド版マイナンバーの普及による銀行口座保持率の増加、キャッシュレス推進といった金融革命などを背景に、ITを活用した起業が増加したわけである。

そしてホーム・ビューティケア領域では、組織に属さないビューティシャンや、結婚や出産・子育てで美容サロン勤めを中断した女性を雇用して、自宅で施術が受けられるサービスを提供するスタートアップ企業がいくつも創業し、かつ淘汰もされてきた。

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