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中国漢方コスメ、製薬会社の信頼性とTikTokなどソーシャル活用で若者に浸透

◆ English version: Growing demand for health and beauty boost market for cosmetics made with Traditional Chinese Medicine
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2000年代以降、中国では製薬会社が、主に漢方を活用した化粧品の開発・販売にのりだす事例が増えている。今回紹介する5ブランドは漢方薬を製造する企業としての信用性を背景に、ソーシャルメディアを活用し外資系ブランドをしのぐ支持をユーザーから得ている。パンデミックを経験した人々の眼が安全性の追求や健康志向に向くなか、中国の製薬会社の漢方化粧品の存在感がさらに高まることも予想される。

中国では近年、製薬会社が化粧品事業に参入するケースが増えている。中国の製薬業界は伝統的な漢方薬を扱う企業が多いが、生薬の原材料は価格の高騰が続いている。それを製品価格に転嫁するのが難しく、製薬会社は新たな収益源を確保する必要に迫られているからだ。その筆頭が、生薬の原料の植物を活用できる化粧品である。

漢方薬を製造する企業の参入例の草分けが片仔癀だ。肝・胆道系疾患の治療薬や解熱剤などを製造する同社は、1980年にスキンケア製品の販売を開始。2002年に分社化し、福建片仔癀化粧品を設立した。

2002年に5,600万元(約8億4,000万円)だった化粧品事業の売上高は、2019年度決算報告によると、4.3億元(約64億5,000万円)まで拡大。前年比57.1%増と好調で、連結売上高57.2億元(約858億円)の7.5%を占める。

デジタルマーケティングで売上好調の「片仔癀」

好調の要因は、ターゲットとして若者世代を重視する姿勢を鮮明にしたところにある。同社は2018年12月に、3人組の女性が肌の悩みについて歌いながら踊るPR動画「姉さんと呼ばずに可愛いお姉ちゃんと呼んで(別叫姐叫小姐姐)」を公開。「80后(1980年以降生まれ)」や「90后(1990年以降生まれ)」に向けた、ポップな曲調とインパクトのある歌詞で話題を呼んだ。

Weiboでの再生回数は23万回を超え、またTikTokの本家中国版「Douyin(抖音)」にもアカウントを開設し、同時期にハッシュタグチャレンジ「別叫姐叫小姐姐」を実施。閲覧回数は29億回を超えている。

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