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韓国Zamface、自分に合う美容インフルエンサー動画とマッチングでZ世代に人気

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韓国スタートアップ、作党謀議(Zackdang)が2019年6月にリリースしたAIビューティ動画キュレーションアプリ「Zamface」が、韓国のZ世代からの強い支持を獲得し伸びている。顔分析から美容インフルエンサー動画とのマッチング、また動画の見たいところだけを視聴できるタイムジャンプ機能を備え、韓国Z世代攻略のカギとされる「ショートフォームコンテンツ」「パーソナライズ」「コラボレーション」を満たしたアプリの概要と人気の秘密を紹介したい。

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出典:Zamface 公式サイト

AIを駆使した数々の機能を実装

リリースから約1年が経過した2020年7月上旬の時点で、Zamfaceのダウンロード数は53万を突破した。特筆すべきは、ユーザーのうち95%が10~20代のZ世代であるという点だ。作党謀議の代表を務めるユン・ジョンハ(Yoon Jung-ha)氏は、創業前に10~20代のユーザー50名に直接ヒアリングを行い、アプリの使用形態や好きな化粧品、生活習慣を徹底的に分析したと国内メディアの取材に答えている。狙うターゲット層を、サービス開始以前から深く理解したことがヒットの一因だ。

では、Zamfaceは一体どのようなアプリなのか。その全体像を一言でいいあらわすとすれば、AIを駆使した「美容動画×インフルエンサーマッチング×商品レコメンドアプリ」と説明できる。

基本的なコンセプトとしては、各ユーザーと、YouTubeにアップロードされている美容インフルエンサーのコンテンツ、そして動画内で使用されているコスメを、各自にパーソナライズしてマッチングしてくれるというものである。だがそれだけでは、なぜこんなにも人気を得ているのかイメージしにくい。より深くアプリの仕組みを理解するためには、個別の機能に着目する必要がある。

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フェイスマッチング機能 
出典:Zamface 公式サイト

Zamfaceの主な機能には、「フェイスマッチング機能」や「タイムジャンプ機能」がある。まず、フェイスマッチング機能は、ユーザーが撮影・アップロードした顔写真をAIが解析。顔の形やタイプが近いインフルエンサー、およびYouTube動画を紐づけてくれる機能である。

昨今、AI顔診断をベースに、コスメやインフルエンサーとマッチングしてくれるサービスはいくつか登場しており、Zamfaceのフェイスマッチング機能もそのひとつといえる。ただほかのAI顔分析アプリとは異なり、Zamfaceにとってはそれが数ある機能のひとつという位置づけだ。

Zamfaceには、そのマッチングされた美容インフルエンサーの動画を見る際に「タイムジャンプ機能」が使える。これは、ユーザーが興味のある部分だけを選んで視聴できる、いわばシーンキュレーション機能だ。Zamfaceのプラットフォーム内で再生される動画には、「製品使用シーン」や「パーツごとのメイクシーン」「ユーザーが希望する製品映像だけを集めたシーン」などをシーン毎に再生できるタグが割り当てられる。それらをクリックすると、該当するシーンに“ジャンプ”できる仕組みだ。

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タイムジャンプ機能 
出典: Zamface

美容インフルエンサーの動画は、顔全体のメイク過程を収録するため、長さが10〜20分におよぶケースがほとんどだ。時間がない忙しいユーザーにとっては、見たいシーンを探したり早送りしたりといった手間が煩わしく感じられる。そこで、こうしたユーザーの不便を解消し、時間を節約しつつ、求める情報を見逃さないために開発されたのがタイムジャンプ機能だ。同機能は、リリースから9カ月で1,000万回以上も利用されたという。

このタイムジャンプ機能のシーンキュレーション作業は、AIによって自動化されている。動画内の客体を認識する画像解析系の技術を採用しているのだ。作党謀議は関連AI技術を開発するため、サムスンSDS、ネクソン、ネットマーブルなど、国内有力IT企業から人材を誘致している。

さらにZamfaceが便利なのは、動画内に登場するコスメアイテムをAIで認識・抜粋し、プラットフォーム上に“陳列”する機能も実装されている点だ。インフルエンサーが使っている化粧品をメモしてほかのサイトで探す作業も大幅に減る。この陳列表示された商品からECプラットフォームへのつなぎ込みも、今年中に実装予定という。またAIで動画を解析することで、各インフルエンサーが最も多く使ったコスメをランキング化して表示するサービスも展開している。

Zamface はリリースから約1年の新サービスながら、2020年下半期には広告機能やEC機能を導入し、本格的にビジネスモデルを確立していくとしている。ユニコーン企業をめざして、ベトナム、インドネシア、タイなど東南アジア進出に動き出しており、南米や欧州進出も視野に入れているとユン代表は明らかにしている。

Z世代をターゲットにしたサービスが続々登場

韓国では現在、Zamface以外にも、wallaVU というビデオコマースビューティプラットフォームが人気を博している。メイクアップノウハウや人気アイテム比較など、自社で制作した多様な美容動画コンテンツを、アプリ、Webページ、SNSなどを通じて配信するサービスだが、こちらもユーザーの75%以上が10~20代とZ世代である。

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出典: WallaVU

このwallaVUも最近、「まつげ」や「目」などタグを押すことで、映像内の希望するシーンだけを視聴できる機能を備えた。また、動画内のアイテムは、そのままwallaVU内で購入できる。

ZamfaceとwallaVUのサービスには、いずれもZ世代を強く意識しているという共通点がある。というのも、韓国ではZ世代を取り込むマーケティング戦略として、「ショートフォームコンテンツ」「パーソナライズ」「インフルエンサーコラボ」などのキーワードが注目を集めており、両者はそれを具現化するための機能を次々に実装しているとの見方もできる。

その観点からみれば、世界のZ世代に大人気のTikTok(中国ではDouyin)も、この三要素を多分に取り入れているといえよう。メーカーや企業、セレブやインフルエンサーがコラボレーションし、ユーザーにはパーソナライズされた短尺の動画コンテンツが次々にレコメンドされる。

ただし、ZamfaceやwallaVUは、もともとは長い動画を利用するというアイディアに着目した点が異なる。とくにZamfaceはAI技術を駆使することで、既存のYouTube動画を “ショートフォームコンテンツ化” して“パーソナライズ化”し、Z世代への訴求力を高めている。しかも、いわば一方向のパーソナライズではなく、顔分析AIなどによって、インフルエンサーや動画コミュニティとの“繋がり”をユーザーに持たせるという効果を上手く設計しているのも特徴だ。いうなれば、連帯にねざした“ゆるやかなパーソナライズ”の実現である。

日本においても、顔診断から悩みとのソリューションマッチングをしてくれるmiraのように、AI×パーソナライズ×インフルエンサー×コミュニティなど、キーワードを掛け合わせることでスペックを高め、若年層に訴求力のあるサービスを展開するビューティテックベンチャーが登場している。今後は、アジア全体を舞台にこのような新しい切り口を持ったサービス同士の競争が加熱していきそうだ。

Text: 河 鐘基(Jonggi HA)
Top image: Zamface 公式サイト

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