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ロレアルとP&G、SDGs観点から「水」や「衛生」などのサステナビリティにアプローチ【CES2021】 (2)

初のオンライン開催となったCES2021のレポート第2弾は、ESGの観点に立った戦略を進めるロレアルとP&Gの最新の取り組みを紹介する。サロンのシャンプー時の水量を削減するL'Oreal Water Saverと、アバターで入場&見学をするLifeLabブースだ。

サロンの水消費量を最大80%削減、「クラウドクレンジング」を行えるシャワーヘッド

仏ロレアルは、スイスの環境系企業 Gjosaと共同開発したサステナブルなヘアケア用デバイス「L’Oréal Water Saver(ロレアルウォーターセーバー)」を今回のCESで発表した。ロレアルウォーターセーバーの洗髪用シャワーヘッドは、水圧を変えずに、通常1分間で8リットルの水を使うところを2リットルに抑える高速水流を実現。サロンで洗髪に使う水を最大80%減らすことができるとする。

さらに、ロレアルウォーターセーバーでは流す水の水滴を10分の1に小さくし、「Kérastase(ケラスターゼ)」と「L’Oréal Professionnel(ロレアル プロフェッショナル)」が開発した微粒化処方によりミクロ化した専用シャンプー、コンディショナー、トリートメントをカートリッジから高速水に直接注ぐ。これによって、ヘアケア剤の髪や水への浸透性とすすぎの速度を向上させた、特許取得済みの新しいヘアケア「クラウドクレンジング」が行える。水とコスト削減のデータは付随するダッシュボードで追跡可能で、同時にサロンオーナーは顧客の施術の履歴もここから確認できる。このシャワーヘッドを使うことで、クラウド上でサステナブルの度合いも顧客データも管理できるわけだ。

現在、ロレアルウォーターセーバーはニューヨークとパリの一部のロレアルサロンで利用が始まっており、数年のうちに全世界の1万店舗以上に導入を進める意向だ。また、家庭用デバイスも追ってローンチする予定である。

ロレアルは2020年6月に「ロレアル・フォー・ザ・フューチャー」という2030年に向けたサステナビリティ・プログラムを発表している。そのなかで、世界的に供給不足が懸念される水資源に配慮したシャンプーを作り、消費者に届けていくのも企業の責任であるとしており、ロレアルウォーターセーバーはその具体的な施策の1つだ。

アバターで訪問するP&Gバーチャルパビリオン

毎年、複数のグループ企業や傘下のブランドからなる巨大ブース「LifeLab」を設置するP&Gは、2021年はパビリオンをマイクロサイトとして丸ごとデジタル化。参観希望者は体格や髪型などを選んで自分のアバターを作り「LifeLab」内に入場する方式とした。

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