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眠れる「中国フレグランス市場」が急成長、欧米ブランドに加え新興ブランドも活発化

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中国化粧品市場においてフレグランスの占める割合はわずか2%だが、この3年ほど毎年20%超の急成長をみせている。シャネルやイヴ・サンローランなどの海外ラグジュアリーブランドに加え、BOITONやASSASSINAといった中国の新興ブランドも健闘している。中国のフレグランス市場の特徴と動向を紹介するとともに、その可能性を探る。

2020年は前年比26.6%増。実勢は少ないが大きな可能性

4,777億元(約7兆6,000億円)とされる中国の化粧品市場(東莞証券調べ)において、フレグランスカテゴリーが占める割合はまだまだ小さい。中国の調査会社iResearch(艾瑞諮詢)が2020年11月に発表した「中国香水業界研究白書1.0」によると、2019年の香水市場規模は99.2億元(約1,587億円)で約2%に過ぎない。

同白書では、中国でフレグランスを使うユーザー数は2,000万人に満たないと推計している。しかし、客単価をみると500~800元(約8,000~1万3,000円)と高めだ。海外のラグジュアリーブランドが購入されているためとみられる。成長率も高く、2018年は29.8%増、2019年は24%増となっている。2020年はコロナ禍にも見舞われたが、その勢いは衰えず、26.6%増の125.7億元(約2,011億円)に達すると予想されている。

調査会社・前瞻産業研究院によると、2019年1~11月のアリババグループのプラットフォームでの香水ブランドのシェアは、1位が「シャネル」で6.2%。以下3.4%の「BOITOWN(冰希黎)」、「ブルガリ」、「ジョー マローン ロンドン」、3.2%の「ディオール」、2.9%の「YSL(イヴ・サンローラン)」、2.5%の「エルメス」、「ヴェルサーチ」、2.4%の「MINGLAN(名藍)」、2.2%の「カルバン・クライン」と続く。欧米ラグジュアリーブランドがやはり強いが、中国ブランドも2つ入って健闘している。

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「ASSASSINA(莎辛那)」など
中国ブランドも台頭
出典: JALA公式サイト

ヘビーユーザーが多い中国の香水市場

中国の香水ユーザーの特徴としては、数こそ少ないが利用頻度が高い傾向にある。前述の白書によると、51.5%が毎日香水を使用し、15.6%が平日は毎日使い、29.5%が少なくとも平日の3日間は使用しているという。使用する場面は、学校・職場が86.5%と最も多く、友人との集まりが81.9%、週末の余暇が75.2%、デートが62.9%と続いた。意外なのは、家にいる時も使うと答えたユーザーが31%いたことだ。香水をつけることが習慣化しているユーザーが多いとみられる。

次に中国の消費者が好む香りをみてみると、1位はフローラル系の48.3%で、2位が柑橘系の39.8%、3位がウッディ系の32.8%、4位がフルーティ系の30.4%だった。また、香水の中身だけでなく見た目も重視している。香水ボトルについては77.5%が精緻で美しいデザインを好み、54.9%が視覚的インパクトを求めていた。

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