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アモーレパシフィックがコロナ禍で急ぐテックスタートアップとの協業とDX

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韓国国内売上1位の化粧品メーカーで、アジアでも資生堂、花王につぐ3位につけているアモーレパシフィックは、競合の台頭や新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、業績が下降傾向にある。この状況を打破するために同社がとるのがデジタル戦略の強化と、これまで以上のイノベーションの推進だ。創業75年を迎えた同社の試みをみていく。

韓国最大手の化粧品メーカー、アモーレパシフィックは、製品開発やマーケティング面でのイノベーションに注力し、国内トップランナーの地位を確固たるものにしてきた。近年ではテクノロジーに対する投資も強化。並行して、コロナ禍を克服するためのデジタライゼーションや、新時代のトレンドを牽引するためのブランド構築にも傾注している。国内ライバルたちの追撃が迫るなか、オープンイノベーションをさらに進める姿勢だ。具体的には、テックスタートアップやファッション大手との連携、社内ベンチャー育成そして海外販路の強化だ。

図1

アモーレパシフィック・
R&Dイノベーションチャレンジの模様 
出典:アモーレパシフィック公式サイト

テックスタートアップとの関係強化

2020年に創業から75周年を迎えるアモーレパシフィックは、米Forbes誌が選出する「世界で最も革新的な企業100社」に4年連続でランクインするなど、そのイノベーティブな社風や企業文化を常に堅持してきた。時代に先駆けたブランドや新製品を相次いで発表しつつ、世界各地に拠点を組織し、海外進出やローカライゼーションにも意欲的に取り組んでいる。

マーケティングや製品開発において、韓国コスメ業界のイノベーションを牽引してきたアモーレパシフィックだが、近年はテクノロジー関連のイノベーションやエコシステムづくりにも余念がない。

2020年4月からは、韓国貿易協会が保有するオープンイノベーションプラットフォーム「Innobranch」を利用し、「アモーレパシフィック・R&Dイノベーションチャレンジ」(以下、チャレンジ)を開催している。同年6月末には新たなパートナーとなるベンチャー企業の選定を終え、今後、投資および支援にのりだす計画だ。具体的には、技術ライセンシング、共同研究および製品開発などを行っていくという。

Innobranchには、約8,500社の国内スタートアップと、約50社の投資機関および大企業・中堅企業が参加しており、事業マッチングするネットワークに強みを持っている。

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