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欧州の注目インディー4ブランドにみる「環境」と「多様性」への希求

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欧州のインディーコスメシーンが盛り上がっている。2018年10月にはロンドンで欧州初となる「Indie Beauty Expo」が開催され、有望な新興ブランドが結集し大きな話題となった。そのトレンドも踏まえて、注目のインディーブランド4社をピックアップする。

ヨーロッパの独立系コスメ業界を語る上で忘れてはならない5つのトレンドが、「クルエルティフリー(動物実験なし)」「オーガニック」「ヴィーガン」「グルテンフリー」「ハラル」だ。クルエルティフリー、オーガニック、ヴィーガンは社会にかなり定着した感があるが、もとはアレルギー対策やダイエットの食事療法であるグルテンフリーが化粧品にも浸透してきたのは興味深い。また、移民の増加などでハラル認定を受ける化粧品が増えているのは、ダイバーシティ(多様性)が注目されていることの証拠だろう。

多様性の促進という流れには大手メーカーも関心を示しており、例えば、昨年末にはP&Gが非白人(people of color)向けのヘアケア製品を手掛けるスタートアップ「Walker & Company」を買収すると明らかにした。また、多様性というくくりでみれば、世界的な動向でもあるジェンダーレスやパーソナライゼーションも入ってくる。

また、独立系と大手のどちらでもマストなキーワードが「環境」だ。最近は特にプラスチックによる海洋汚染や人体への影響がニュースで取り上げられることが多く、環境問題は化粧品業界でも大きな関心事となっている。

こうした状況を踏まえて、2019年に大きな躍進が期待される大注目の欧州系インディーブランドを4つ紹介したい。

◇ Eco Glitter Fun 
環境に配慮したラメを生分解する素材で開発

画像提供:Eco Glitter Fun

パーティーや夏フェスには欠かせないグリッターメイク。しかし、あのキラキラのもとになるラメは、実はマイクロプラスチックを原料にしているものが多い事実は以外と知られていない。

Eco Glitter Funのラメはユーカリの木から作られたバイオセルロースでできており、海に流れ出てしまっても生分解されて汚染原因とならない。そのユーカリもFSC認証(適切に管理された持続可能な森林に与えられる国際認証)の木材だけを使うという徹底ぶりだ。

また、プラスチックベースのラメに比べて重金属の含有量が少ないほか、質感も3~4割柔らかいため肌に優しいという。自称「パーティーアニマル」の女子2人組が立ち上げたブランドだけあって、エコを意識したアイテムでもキラキラ感では妥協していない。環境問題に敏感な若い世代は、プラスチックフリーのグリッターメイクでクール&クリーンにキメる、というのが常識になるかもしれない。

Emulsion
簡単にオーダーできるパーソナライズドスキンケア

大手メーカーからは個人の肌質に合わせてカスタマイズしたスキンケア商品が相次いで発売されているが、独立系コスメでもパーソナライゼーション革命に取り組むブランドは増えている。Emulsionはスキンケアおよびヘアケアプロダクトのジェンダーレスな独立系ブランドで、化粧水やボディソープなど43種類の製品について、肌質や好みの香りに合わせたオリジナルプロダクトが作れるようになっている。

特筆すべきはオーダーの簡単さで、「ケアしたいパーツ(顔/身体/髪)」「いま抱えている問題」「肌質」「好きな香りの種類」「ピーリング成分を入れるか」を選ぶだけで、化粧品の成分などの専門知識がまったくなくても簡単に自分だけのコスメが購入できる。もちろん、さらに細かい設定をすることも可能だ。

ちなみに、筆者はベースセラム(オイルベースとノンオイルベースの2種類がある)を使用しているが、顔や身体だけではなく頭皮にも使えるマルチユースタイプである点が便利だ。

Kjaer Weis 
詰め替えシステム採用のオーガニックコスメ

画像提供:Kjaer Weis

Kjaer Weis(ケア・ワイス)というエキゾチックな名前のブランドを立ち上げたのは、メークアップアーティストのキルステン・ケア・ワイスだ。デンマーク出身のキルステンの実家は農場で、小さい頃から庭で採れた有機栽培の野菜を食べて育ったという。そんな彼女がオーガニックコスメに向かったのは当然の流れだった。

原材料へのこだわり以上に評価が高いのは、詰め替えシステムが採用されている点だ。フェイスパウダーやアイシャドウ、チークなどはすべてリフィル式で、最初にコンパクト入りのものを購入すれば、次からはリフィルを買えばいいようになっている。リフィルのパッケージは北欧デザインを思わせるミニマルかつ機能的なデザインで、しかも価格はコンパクト入りと比べて6割程度とリーズナブルだ。

シャンプーや洗剤などの日用品ではそれなりに普及している詰め替え方式だが、化粧品、特に高級コスメブランドでリフィルがあるものは少ない。キルステンは「肌に優しいことはもちろんだが、地球にも優しくサステイナブルであることが同じくらい大切だ」と話している。

代表的なアイテムは、英国を代表する高級ファッション誌『TATLER』のコスメアワードも受賞したTHE HIGHLIGHTERだ。

Gjosa
ロレアルが買収した節水シャワーヘッドブランド

最後はコスメブランドではないが、ロレアルが買収したことで一躍有名になったスイスのスタートアップGjosa(ギヨーザ)だ。シャワーで髪を洗うとどれくらいの水を使うかを知る人はそう多くないが、同社によるとその答えは1分間に8リットルだ。しかし、Gjosaのシャワーヘッドを使えば、洗浄力はそのままで必要な水の量を1.5~2リットル減らすことができる。

ロレアルの研究者チームが開発した洗い落としが簡単なシャンプーを、シャワーヘッド内に直接注入してお湯を出したデモンストレーションでは、細かい水滴で水しぶきが飛び散らず、通常の70%の水量で洗い残しもなく髪が洗えることが示された。

出典:L’Oreal Mediaroom

水不足は世界各地で深刻化しており、国連食料農業機関の試算では、2025年には世界人口の3分の2が何らかの形で水不足に直面する恐れがあるという。2025年といえば決して遠い未来ではなく、わずか6年後の話だ。

先進国に住んでいる消費者にとってはその危機意識を感じにくい分野かもしれないが、ロレアルの買収という動きで、水不足という問題にもより広い関心が集まるようになるだろう。

Text: オカチヒロ(Chihiro Oka)

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