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ベルリン発TOAが提唱「生きること」を支える LifeTech、衣食住から美容領域での革新

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パンデミックをグローバル規模で経験した世界は今、地球環境の保全という課題に真剣に向き合い、取り組みを進めることを避けては通れない。地球の未来を明るくするためのテクノロジーを考えるテック・カンファレンス「TOAワールドツアー東京」では次世代を見据えたLifeTechが衣食住や美容の観点から語られた。

2012年、ドイツ・ベルリンでクラウドファンディングをもとに立ち上げられたテック・カンファレンス「Tech Open Air(TOA)」は、世界に数あるテックイベントのなかでも、極めてユニークな存在だ。大手テック企業からスタートアップまで幅広い企業が集い、自社のアイディアやサービス、製品を披露して意見交換をするのはもちろんだが、その業種や専門分野は衣食住をまたがる。さらには、アーティストや音楽家、ファッションデザイナーや教育者といった顔ぶれが登壇し、テクノロジーが変えていく未来の可能性について論じるのだ。

そこには、異業種間の垣根を取り払うことで、思いがけない出会いとケミストリーを創出し、互いのインスパイアを促すと同時に、既存の概念にとらわれない協業や資金調達、投資先の発掘などを進め、ビジネスを活性化する狙いがある。事実、これまでにTOAを通して何らかのビジネスマッチングが行われた数は、1万1,945件(2020年6月現在)にのぼることがTOA公式Webサイトに記されている。

そして、TOAの最終ミッションは、TOA共同創設者のニコラス・ヴォイシュニック(Nikolas Woischnik)氏の言葉を借りるなら「地球の未来を今より少しでも明るくすること」にある。TOAはテクノロジーが果たす役割を、人間の暮らしを快適便利にする単なるツールを超えて、生きること、あるいは生命そのものを支えていく鍵として捉えているのだ。

図1

TOA ニコラス・ヴォイシュニック氏

TOAは本拠地ベルリンのほかに「TOAワールドツアー」という派生イベントを世界各国で開催しており、2020年2月26日には、東京で開かれた。そのときのテーマは「LIFETECH(ライフテック)」であり、多彩な登壇者のラインナップとあわせて、まさに、TOAの真髄が浮かび上がるカンファレンスとなった。

クラウドで管理するモジュラー型室内農場

たとえば、“都市の野菜工場”infarmのCEO エレズ・ガロンスカ(Erez Galonska)氏は、クラウド上でAIが光や空調、栄養補給を自動管理し、サラダ野菜やハーブ野菜を育てる、自社の都市型農業プラットフォームについて説明を行った。人口が密集する街中のスーパーマーケットにも設置できるコンパクトなモジュラー型の室内農場は、新鮮な野菜を移動コストなしで供給する究極の地産地消を実現すると語る。また、同じ量の野菜を農地で栽培するのに比べ、2,600万リットル以上の水と、約3万6,000平方メートルの土地がセーブでき、かつ必要な量だけを生産することでフードロスの改善にもつながる。

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