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資生堂、ロレアルなど外資からKOLまで、COVID-19影響下の中国はどうだったのか

◆ English version: Cosmetics in the time of COVID-19: Impact on China’s beauty market, from Shiseido and L’Oréal to national brands
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中国国家統計局によると、2020年1~2月の化粧品小売額は前年同期比14.1%減となる387億元(約6,037億円)だった。猛威を振るう新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、長年右肩上がりを続けてきた中国の美容業界にもさまざまなインパクトをもたらした。事態は沈静化してきているが、ここまでの各方面への影響をまとめた。

まずは、メーカー各社の動向を紹介する。

資生堂は中国での業績が好調だっただけにCOVID-19による影響が大きかった。報道によると、春節期間中(1月24日~30日)の中国の主要店舗での資生堂主軸4ブランド(「SHISEIDO」「クレ・ド・ポー ボーテ」「NARS」「エリクシール」)の販売額は前年同期比55%減で、日本国内の訪日客向け販売額も40%減少した。実店舗での落ち込みを補うため、最近ではライブコマースに積極的に取り組んでいる。

だが、こうした状況下でも、資生堂は中国を重視する姿勢を変更してはいない。同社は3月16日、上海奉賢区の美容・健康産業特区「東方美谷(The Oriental Beauty Valley)」に、中国イノベーションセンターの新たな拠点の開設を発表した。2015年に設立された東方美谷は、化粧品、食品、医薬品、バイオテクノロジーなど美容・健康産業を中心とした経済特区で、「中国の化粧品の都」と呼ばれている。

調印式に出席した、本社執行役員を兼務する藤原憲太郎中国地域CEOは、COVID-19が収束したあかつきには、中国への投資をさらに強化すると表明。同社は今後、同地区内で展開するさまざまな企業・機関と協働し、中国の化粧品業界をリードし、グローバルでの持続的な成長を加速させるとしている。また、2020年3月25日に行われた株主総会では、中国事業は取引先の90%以上が営業を再開しているとして回復の兆しをみせていると発表している。

グローバル大手各社は引き続き中国市場を重視

ロレアル中国は2月28日に上海市静安区内に本部を置く外資企業の合同座談会に参加。同社の蘭珍珍副総裁は、運営を維持している実店舗は40%だけで、生産の復旧は7割程度だと明らかにした。これによる売上の落ち込みを補ったのは、好調のオンラインだ。アリババグループのECプラットフォーム「タオバオ」と「TMALL(天猫)」で開催された国際女性デーに合わせたセールイベント(3月2~8日)での販売は、前年同期比89%増の2.4億元(約37億円)超となり、ブランド別では首位となった。

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