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中国で伸びるラグジュアリー市場を牽引する90后、価値観が多様化する00后

◆ English version: The post-90s generation drives the growing luxury cosmetics market in China
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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響による経済の落ち込みから力強い回復をみせている中国では、ラグジュアリー市場も全般的に好調で、コロナ前の水準に戻りつつある。双11(ダブルイレブン)のセールを前に、世界中からプレイヤーが集いしのぎを削っているラグジュアリー化粧品市場の現状を、ブランドシェア、コアユーザー、プラットフォームの観点から多角的に分析する。これからの市場を牽引するのが1990年生まれ以降の若い世代だ。

ラグジュアリー市場は80后と90后の消費が約8割

マッキンゼーによると、2018年の世界のラグジュアリー市場は2.4兆ドル(約252兆円)だったが、うち32%の7,700億ドル(約80.9兆円)を中国が占める。2025年には世界市場は3.1兆ドル(約325兆5,000億円)まで拡大し、中国はその40%の1.2兆ドル(約126兆円)に達する見込みだ。

消費の牽引役は「80后(1980年以降生まれ)」と「90后」だ。80后は4,150億元(約6兆5,000億円)、90后は1,700億元(約2兆7,000億円)をファッションと美容などをあわせたラグジュアリー商品に消費している。全体に占める割合はそれぞれ56%と23%で、合わせて約8割になる。90后は平均で年間2.5万元(約39万円)をラグジュアリー商品に消費し、その額は親世代である65后・70后に匹敵するという。

美容市場のトップはロレアル、強い海外ブランド

美容分野のラグジュアリー市場をみていこう。東莞証券によると、中国の2019年の化粧品市場規模は前年比13.8%増の4,777億元(約7兆5,000億円)だったが、ラグジュアリー市場は1,518億元(約2兆4,000億円)で、全体の31.8%を占めている。2014~2019年の年平均成長率は17%で、市場全体に占める割合は年々上昇している。

化粧品市場におけるラグジュアリーからいわゆるプチプラまで、各ブランド別シェアのトップ20では、中国ブランドが多数並ぶなか、1位が3.1%のロレアル パリ、2位が2.4%のランコムと、ロレアルグループが健闘。ラグジュアリーブランドではランコムに加え、4位にエスティ ローダー、8位にディオール、20位にSK-Ⅱがランクインしている。

一方、美容ラグジュアリー市場に限った企業別シェアトップ10は、ロレアルが17.3%の1位で、以下13.1%のエスティ ローダー、8.7%のLVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン、6.9%の資生堂と続き、5位に中国のヘアケア・ボディケアブランドAdolph(阿道夫)がランクインしている。中国企業は、8位のサプリメントや美顔器ブランドのInfinitus(無限極)とあわせて2社にとどまる。近年、中国の化粧品市場を全体でみると特に中価格帯は中国国産ブランドの台頭が著しいが、化粧品でみるとラグジュアリー市場では依然として海外ブランドの寡占状態となっている。

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