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ロレアルのデジタライゼーションは「無限」の未来へ【Viva Technology2019】

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「フランスをスタートアップ大国にする」と宣言して、マクロン大統領が推進する欧州最大規模のテックイベント「Viva Technology」(以下VivaTech)が5月16日〜17日にパリで行われた。第4回目を迎える今年は125カ国から、前年比24%アップの12万4,000人が来場、450人以上のスピーカー、1万3,000人のスタートアップ、3,300人の投資家、2,500人のジャーナリストが世界中から集まった。

このイベントの最大の特徴は、イノベーションを起こすリーダーやスタートアップの「出会いの場(ランデブー)」として、世界中からイノベーション関連の人々がパリに集結し、スピーチや展示をみるだけでなく、ライブでイノベーションを「体験」する場であることだ。

会場内では、大手、スタートアップを問わず、互いの課題を共有しながら連携を模索する姿が珍しくない。参加大手企業には、マイクロソフト、IBM、グーグル、保険会社のAXA、フランス郵政公社、SNCF(フランス国有鉄道)などがあり、美容業界からはロレアルとLVMHが大きなブースを出している。言葉だけではない、本当の意味でのオープンイノベーションの場であること、そこに政府がしっかり関与していることに圧倒される。

昨年同様、初日にマクロン大統領が会場に現れたが、今回は単独スピーチではなく、欧州で活躍する5人のスタートアップと椅子を並べて、彼らからの質問に答えるスタイルのステージとなった。その中で、「フランスはシリコンバレーよりもずっと安い」「外国人に魅力的なビザ(フレンチテック・ビザと呼ばれる長期滞在ビザをさしていると思われる)がある」などが、米国や中国の存在をライバル視した発言だと現地メディアでも報じられた。それほど、フランスのスタートアップエコシステムの優位性を強調したのが印象的だった。

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ステージに登場したマクロン大統領と
欧州のスタートアップ

また、別のステージでは、2019年3月末に就任した36歳の新デジタル経済大臣セドリック・オ(Cédric O)氏が「(世界中からファッショニスタが集まる)パリのファッションウィークのように、世界中の投資家やテック業界がパリに注目するようにしたい」と発言した。VivaTechの主催者は、仏大手広告代理店ピュブリシスとLVMHグループ傘下の大手新聞社Les Echos(レ・ゼコー)であり、初開催から4回目で、欧州だけでなく世界からも注目を集めるイベントに成長させた手腕は、これからもさらに磨きがかかっていくに違いない。

昨年はFacebookのマーク・ザッカーバーグCEOをゲストスピーカーとして迎えたことで話題になったが、今年はカナダのジャスティン・トルドー首相とアリババグループのジャック・マー会長がスペシャルゲストとして登場した。

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