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常在菌コスメの最新動向。今後の大きな潮流となるか

◆ English version: Resident Microflora: A New Approach to Personalized Skincare
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腸内、口腔内に続いて、皮膚に存在する「皮膚常在菌」に着目したスキンケアアイテムが商品、価格ともにこなれてきている。その最新動向を「育菌」と「補菌」の2つの視点から追ってみた。

人には20〜30種類の常在菌が存在しており、顔だけで5〜10種類、その数は約10億個とも一般的にいわれている。皮膚表面に存在する「皮膚常在菌」は、外部からの病原菌の侵入を防ぐバリア機能を果たしており、代表的なものに、アトピーを起こす黄色ブドウ球菌やニキビの原因となるアクネ菌、そして “美肌菌”として近年注目されている「表皮ブドウ球菌」がある。

目には見えない微生物「皮膚常在菌」の世界

厚さ0.02mmの角質層に生息する表皮ブドウ球菌は、皮脂や汗をエサにして、肌のうるおいのもととなるグリセリンを作ったり、酸を作って皮脂に含まれる脂肪酸と一緒に肌を弱酸性に保ったり、悪玉菌である黄色ブドウ球菌の増殖を防いだり、とさまざまな働きをしている。しかし、なんらかの原因で菌叢のバランスが崩れ、特定の皮膚常在菌が過剰に増殖し、病原菌の侵入・増殖が起こると、それが肌トラブルとなる。

皮膚常在菌は多ければよいというものではない。皮膚常在菌の構成バランス・菌数を整え、表皮ブドウ球菌を優位な状態にして、肌のバリア機能を高めることが、健常な皮膚を保つ条件となる。そのスキンケアのアプローチとして、大きく「育菌」と「補菌」の2つがある。

文字通り、皮膚常在菌を育てる「育菌」

「育菌」とは、表皮ブドウ球菌が好む栄養をスキンケアで肌に与え、棲みやすい環境に整えて菌を育てるというアプローチだ。大手メーカーでは、ロート製薬が出しているグルコオリゴ糖を配合した「プロメディアル」、乳酸菌飲料でおなじみのヤクルトのスキンケアシリーズなどがある。

独立系で注目を集めているのが、「1本で、強く美しく」というキャッチコピーを掲げるオールインワンのスキンケア「BioMedi(ビオメディ)」。オリゴ糖と乳酸菌を独自にブランドしたLG100を配合。2016年の発売後まもなくSNSで火が付き、クチコミで広まったためすぐに売り切れてしまったという。

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