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リカフロッシュ20万個超のヒット、D2CからP2Cへ“文脈”理解のマーケティングが鍵

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人気ファッションモデル・古川優香氏プロデュースによる「RICAFROSH(以下、リカフロッシュ)」の第一弾となるリップティントが累計販売数20万個を突破した。2020年はD2C(Direct to Consumer)から派生したP2C(Person to Consumer)“元年”との声もあるなか、リカフロッシュはその代表格でもある。P2Cはこれまでのマーケティングと何が異なるのか。リカフロッシュの事例から美容業界におけるP2Cの最新潮流を読み解いていく。

リカフロッシュの第一弾商品である「ジューシーリブティント」は、2020年2月25日の発売からこれまでに20万個以上の売り上げを記録している。古川優香氏を起用したブランドの全体構想からローンチまでを手掛けるのは、ベクトルの子会社でD2Cや新規事業開発を展開する株式会社Direct Techだ。商品開発やEC運用は、美容メディアFAVORを運営しつつ自らのD2Cブランド「FAVES BEAUTY」をもつパペルック株式会社との協業体制をとっている。

広告は一切しない。“リアル”な情報発信を追求

リカフロッシュ立ち上げにあたって、Direct Techとパペルックがこだわったのは、古川優香氏のネームバリューに頼ったビジネスをするのではなく、本人自身が心から納得する商品を作り、ファンに届けられるようにすることだ。新規ブランドのエントリー手法としての初回の値下げによる販促やWeb広告は一切せず、リアルな声からブランドの認知をとっていく戦略とした。

初期ターゲットとしたのは、古川優香氏のコアなファン(InstagramTwitterYouTubeといったSNSのフォロワー約310万人 ※2020年2月時点)である。本人の投稿はもちろん、古川氏の知人や友人100名に商品を体験してもらい、その使用感などがSNSを中心に拡がっていくきっかけを作った。ビジネスサイドが商品の特徴を一方的に発信することは控え、ファンと古川氏の交流の延長線上で、ブランドを知ってもらえるようにした。たとえば、古川氏の誕生日にサプライズとして、リカフロッシュのローンチ発表をしたのもそのひとつだ。

初お披露目の投稿は、
4万3,000件の「いいね」がついた

誕生日の投稿に対する反響の大きさや熱量の高さに驚いたと話すのは、パペルック代表取締役CEO小澤一郎氏だ。

「発売初日には、古川氏の直筆サインのオリジナルポストカード200枚を先着200名様に同封する施策もおこなったが、その限定品を目当てに開始の30分前から数千人が押し寄せ、オープン時点で完売した。もちろん、300万フォロワーという数字は理解していたが、想像をはるかに超えるファンの熱狂性を感じた」(小澤氏)

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